【ネタバレ感想】『ステイ』は、しっくりこないラストで締め括られた映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『ステイ』をみたので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだみていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『ステイ』ってどんな映画?あらすじは?

『ステイ』は、2005年公開の映画。

監督はマーク・フォースター。主演はユアン・マクレガー、ライアン・ゴズリング、ナオミ・ワッツ。

あらすじとしては、「精神科医として働くサムが、事情により美術大生のヘンリーという男性を担当することになる。自殺をほのめかすヘンリーを止めるために、ヘンリーの行方を追う」という物語である。

精神科医として働くサムは、同僚の医師が2週間の休養に入るということで、その医師が担当していた患者の代診をすることになる。

患者の名前はヘンリー。美術大生の彼は、車を燃やした…ということで、精神科に診てもらっていた。

ヘンリーはおかしなことを言っていた。

それは、現実の中で、その人が言っている言葉じゃない言葉が聞こえてくる…というのである。

サムとヘンリーだけの空間なのに、他の人物の声が聞こえてきて、それがサムによって発せられた言葉なのか、それともその、頭の中で聞こえてくる声なのか…という見当がつかないらしい。

サムはヘンリーになんとか心を開いてもらおうと努力するが、ついにヘンリーは、「土曜日に自殺をする」ということを告げる。

自殺をほのめかすなら対処をしなければいけない…と考えたサムは、ヘンリーをその場で止めようとするが、ヘンリーは「ちょっと待ってくれ」と言って部屋を出て行ってしまう。

サムは、同僚のレン医師にどうすれば良いかを相談するが、なかなか良い対処策が見つからなかった。

サムは、とりあえずヘンリーに自殺をさせないために、ヘンリーの行方を追うが、なぜか同じ光景を2度も目にする…という奇妙な現象を感じるようになる。

ヘンリーとサム、そして登場人物たちはどういう世界にいるのだろうか。

『ステイ』は、しっくりこないラストで締め括られた映画だった

というわけで『ステイ』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「しっくりこないラストで締めくくられた映画だなぁ」

という感じである。

うーむ、この映画、おそらく初見ではわからないぐらいの不可解な映像が淡々と流れてくる。

そのため、初見の観客たち(もちろん、私も含めて)はラストでどういう結びつきが待っているのか…を期待してしまう。

しかし、『ステイ』における結末はなんと、とても淡白なものだった。

ライアン・ゴズリング演じるヘンリーが自動車事故を起こし、そこに助けにきたサム、そしてライラがやってくる…という結末だ。

そして、サムとライラはそこで初対面だったらしく、サムの「コーヒーでも飲まないか?」という一言で、おそらくサムとライラは意気投合する…というものだろう。

ラストだけでみるなら、『ステイ』という映画はかなり気色の悪く、感覚的にはつまらない映画に映ってしまう。

しかし、個人的に考察してみると、ちょっと面白い発見があったので、次の項などで色々と紹介をしていきたい。

『ステイ』の良い点【考察】

というわけで『ステイ』の考察をしてみよう。

結論から言ってしまうと、『ステイ』という映画は「死んで、他人の人生をもう一度歩む」というような設定の映画なのでは…と思った。

つまりだ。

人間が死ぬと、仏教などの理念では「輪廻転生をする」などと言って、生まれ変わる…というのが普通である。

しかし、『ステイ』では「生まれ変わる」というよりも、

「死んだ魂が他人に乗り移る」

というような解釈ができるのでは…と思う。

例えるなら、週刊少年ジャンプで連載していた『NARUTO』に、「山中いの」というキャラクターが出てくるが、そのキャラクターが使う「心転身の術」みたいなものである。

ちなみに心転身の術とは、自分の自我(精神)を相手に憑依させ、相手の肉体を自分のものとして扱えるようになる術である。

『ステイ』も、まさにこのようなギミック(ギミックと言って良いのかはわからないが)が存在しているのかなと思うのだ。

ヘンリーがサムの部屋で言った、

「他の人の声が聞こえる」

というセリフも、それはつまり自らが死ぬ前の記憶が呼び起こされている…といった解釈をしてみた。

こう考えていくと、事故を起こしたヘンリーは、サムに乗り移ったのではないか…と解釈できる。

その証拠に、ラストでライラをコーヒーに誘っている。そして、劇中の中盤でも、サムが持っていた指輪を自分のものと勘違いしているヘンリーの様子が垣間見える。

STAYという英語も、「留まる」や「滞在する」といった意味がある。

普通は死亡したら「死亡」だけで終わってしまうのが、この世に未練があるために魂だけ抜け出てしまう…つまりSTAYの状態になっている…という意味なのでは?と解釈をした。

『ステイ』の悪い点

『ステイ』の悪い点は、わけがわからないところである。

映画には千差万別のあり方があるとは思うのだが、やはりここまで説明のない映画だとなかなか難しい。

監督なりに、「解釈は人それぞれ」的な意志で撮影されたのかもしれないが、とはいえ理解できなくては意味がないな…とも思う。

全体的に陰鬱な映像がずーっと流れるので、気が滅入りそうにもなる。

『ステイ』を総合評価するなら?

『ステイ』を総合評価するなら、星5中の星3評価である。

個人的にはまぁ…普通。

ここまで説明がない映画だと、みる人によってはどこが面白いんだ…と感じるのも無理はない。

正直なところ、私もそこまで面白い映画には感じなかった。

むしろ途中途中眠くなってしまったし、みるのをやめようかなと思う瞬間が幾度となくなった。

しかし、中盤を超えてくると、ちょっと意味深なシーンが出てきたりして、結末にワクワクしてしまっていた。

だが、結末もそんなに驚くべきようなものでもなかったので、星3評価とさせていただこう。

『ステイ』はどんな人にオススメ?

『ステイ』は、考えることが好きな人におすすめしたい。

自分なりの解釈を持てる映画なので、考えることが好きな人こそ『ステイ』は効力を発揮する映画だと思う。

終わりに

『ステイ』についてレビューしてきた。

余談だが、『ステイ』は興行的には成功しなかったらしい。

…まぁ、それもまた、理解できるところである…。