【感想】レ・ミゼラブルは、ほぼ全編に渡って繰り広げられるミュージカル映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、レ・ミゼラブルを観終わったので、早速レビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、早速レビューに移ろう。

レ・ミゼラブルってどんな映画?あらすじは?

レ・ミゼラブルは、2012年公開のミュージカル映画。

監督はトム・フーパー。主演はヒュー・ジャックマン。

あらすじとしては、「ヴィクトル・ユゴーが1862年に執筆したレ・ミゼラブルのミュージカル版」となっている。

ある司教のところに、物乞いのような格好でひどく腹をすかせている男がやってきた。

その男は「ジャン・ヴァルジャン」という名前だった。

妹のためにたった1つのパンを盗んでしまったことがきっかけで、懲役5年の刑に服していた。

しかし、5年の服役期間に不満を感じたのか、脱獄を繰り返して結局19年も獄中生活をしていた。

司教は、どこに行っても人々から冷たくされてしまうジャン・ヴァルジャンを温かく迎え入れ、食事と寝床を提供した。

だが、ジャン・ヴァルジャンは恩を仇で返すかのように、司教が大切にしていた銀の皿を盗んで出て行ってしまう。

数時間後、ジャン・ヴァルジャンは警察に捕らえられて司教のところに戻ってきた。

ジャン・ヴァルジャンは「俺の人生もここまでか…」と思ったら、なんと司教は「そう、その銀の皿は彼にあげたものなんだ。ほら、これも必要だろう、持っていきなさい」と、教会で使うロウソク立てをジャン・ヴァルジャンに渡しながら、警察がいる前で釈明してくれたのだった。

司教の懐の大きさに、自分がひどく醜い存在に感じたジャン・ヴァルジャンは、改心して新たな人生を歩む決意をする。

4年後の1819年。ジャン・ヴァルジャンはとある街で「マドレーヌ(以後、統一のためにジャン・ヴァルジャンとする)」と名前を改め、事業を興して成功を収めていた。

また、その人柄が市民の支持を得たのか、その街の市長になっていた。

ジャン・ヴァルジャンの工場には、一人の女性が働いていた。

その女性は「ファンティーヌ」という女性で、娘の養育費のために工場で必死に働いていた。

しかし、ファンティーヌは同僚たちから煙たがられてしまい、結局工場を辞めることになる。

娘の養育費が払えなくなったファンティーヌは、娼婦として働いていた。

そこに、ジャン・ヴァルジャンが現れて、ファンティーヌの娘を助け出すことを約束する。

レ・ミゼラブルは、ほぼ全編に渡って繰り広げられるミュージカル映画だった

はい、正直な感想をまずは言おう。

レ・ミゼラブルは、個人的には中の中…ぐらいの出来かなぁと思った。

面白くないことはないし、音楽の迫力もすごいんだけど、ちょっと間延びするというか…。

これは完全に個人の感覚なんだけれど、ミュージカル要素が強すぎて、ストーリーに入り込むことができなかった。

これまで、ミュージカル映画といえば「ラ・ラ・ランド」や「グレイテスト・ショーマン」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観てきたけれど、そのどれよりもミュージカル要素が強めだった。

なんだろう、ちょっとしたセリフでさえも全てミュージカルというか…。

そもそもこの映画は実際にレ・ミゼラブルのミュージカルを映画版にしたような作品らしいので、それも仕方がないんだけれど…。

ただ、映画として見るなら、個人的にはミュージカル要素が強すぎるなぁ…と感じた。

かの有名な哲学者が嫌う人々がたくさん出てくる

レ・ミゼラブルを観ていて思ったのは、かの有名な哲学者「フリードリヒ・ニーチェ」が忌み嫌う人々がたくさん出てくるなぁ…ということだ。

ニーチェは、「善人」「群衆」をひどく忌み嫌っていたとされる。ツァラトゥストラを見れば一目瞭然である。

ここでいう善人とは、一般社会から逸脱してしまった人々を嫌う人々のことである。もしかしたらあなたもそうかもしれない。

それこそ、ジャン・ヴァルジャンはまさに一般社会から逸脱してしまった人の一人だ。

刑務所から仮出所したジャン・ヴァルジャンに対して、世間はひどく忌み嫌う。

ジャン・ヴァルジャン自体は、確かにパンは盗んだ。そのパン屋の主人がジャン・ヴァルジャンを忌み嫌うのは筋が通る。

しかし、特に何の関係もない一般市民がジャン・ヴァルジャンを忌み嫌う道理はない。

善人たちは、「コミュニティ」の中で生きながらえていくために、普通ではない「敵」を置くことで自己防衛をしているわけだ。

レ・ミゼラブルは時折「正義」という言葉が出てくるが、「正義」とは悪人を裁くためにあるのだろうか。

悪人にならば、ひどいことをしても許されるんだろうか。それが神の思し召しなのか。

インターネットが発達してきた現代において、「正義」という名のもとに「悪人を裁かなければ」という変な正義感に突き動かされている人々がいる。

有名人や芸能人が不祥事を起こせば、「有名税だ」とバカみたいな言い訳をつけて叩きまくる人々である。

レ・ミゼラブルは、醜い人々の様相が再現されていて、その点に関しては評価できるなぁと思った。

「音楽」自体は、グレイテスト・ショーマンの方が良い

ぶっちゃけた話、レ・ミゼラブルの音楽で記憶に残ったものが一つもなかった…笑。

それこそ「グレイテスト・ショーマン」は、冒頭のあの曲から一気に物語に引き込まれるぐらいの名曲だったけれど、レ・ミゼラブルに関してはそれほどの感銘を受けなかったかな…という感じ。

あえて一つ「これは良い曲だったなぁ」と思ったのが、「夢やぶれて」だろうか。スーザン・ボイルが歌った事で有名である。

あの曲はまぁ…「あ、これスーザンボイルが歌ってたやつだ!」となったけれど、それ以外で感銘を受けるほどの曲はなかったかなぁ…。

善人だろうが悪人だろうが、許してあげることに意味がある

レ・ミゼラブルを観ていて思ったのが、

「許してあげることに意味があるんだろうな」

ってことである。

レ・ミゼラブルの前半では、ジャン・ヴァルジャンを司教が許してあげた。

ジャン・ヴァルジャンは、物語の後半で革命軍に捕まった憎っくきジャヴェールを逃がしてあげた。

ジャヴェールは、ジャン・ヴァルジャンに救われたことを不可思議におもい、ついには自殺してしまった。

許してあげることは、なかなか難しい。

感情的になってしまうと、許すことがどうにも腹の虫を収めることにはならないし…。

でも、司教のように「あ、これも忘れてるよ」とジャン・ヴァルジャンを救うぐらいの度量の大きさがあると、人も寄ってくるのかなぁ…なんて感じた。

レ・ミゼラブルを総合評価するなら?

レ・ミゼラブルを総合評価するなら、星5中の星3評価である。

ぶっちゃけ、個人的にはまぁ…普通かなぁという感じだった。

全編を通してミュージカルになっている点も、個人的には減点の対象かな…。

グレイテスト・ショーマンぐらい…ミュージカル部分とドラマ部分がきっちり分かれてる方が良いかなって感じがした。

レ・ミゼラブルはどんな人にオススメ?

レ・ミゼラブルは、ミュージカル映画が大好きな人にはまずオススメしたい。

先ほどから言っているようにほぼ全編ミュージカルなので、ガッツリとミュージカルを楽しみたい人にはうってつけだ。

ただ、逆に言えばミュージカル要素が強いので、ミュージカルが苦手な人にはオススメできないとも言える。

終わりに

レ・ミゼラブルについてレビューしてきた。

余談だが、今回の2012年版レ・ミゼラブルの他に、実に8作品も「レ・ミゼラブル」とタイトルがついている映画があるのだ。

それぐらい、レ・ミゼラブルは世界的な作品なんだなぁと感じた。

ちなみに、今作のレ・ミゼラブルは、原作小説とはストーリーが異なっているらしいので、一度原作を読んでから今作を見ると、また違った楽しみ方ができるのかもしれない。