【ネタバレ感想】『顔のないスパイ』は、ネタバラしが早すぎるサスペンス映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『顔のないスパイ』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『顔のないスパイ』ってどんな映画?あらすじは?

『顔のないスパイ』は、2011年公開のサスペンス・スパイ映画。

監督はマイケル・ブラント。主演はリチャード・ギア、ドファー・グレイス。

あらすじとしては、「ロシアとつながりのある議員が、ある日殺される事件が起こる。CIA長官は、元エージェントのポールに『カシウスの仕業かもしれない』と現役復帰を打診する」という物語である。

FBIは、ロシアとつながりがあるとされる上院議員を監視していた。

捜査官の2人がモニターで隠しカメラの映像を見て、そろそろ休憩でもしようか…というところで、監視対象の議員に一本の電話が入る。

なにやら取引の電話らしく、その議員はすぐに部屋を出て屋外にいく。

すると、カメラの死角から顔の見えない男がやってきて、その議員を殺したのだった。

FBIが死亡した議員を検証していると、CIAの長官がやってくる。

CIAの長官は、電話をFBIの捜査員に渡す。電話越しでは、FBIの長官が捜査員たちに「CIAに現場を渡して、手を引け」と言っていた。

CIA長官はこの事件が、かつてCIAが追っていた「カシウス」というコードネームのついた殺人鬼が犯したものだろう…と推測した。

そこで、カシウスを追っていた元エージェントのポールに復帰を打診する。

ポールは最初は全く乗り気ではなかったが、ハーバード大学の修士論文でカシウスについて執筆したギアリーが、今回の事件はカシウスによるものだ!と強い意見をぶつけてきたため、しぶしぶ今回の事件を引き受けることにする。

だが、ポールには人には言えない過去を持っていた。

『顔のないスパイ』は、ネタバラしが早すぎるサスペンス映画だった

というわけで『顔のないスパイ』を見終わった。

まず最初の感想としては、

「ネタばらしが早すぎるよ!!」

という印象だろうか。

なんか…ポールがカシウスっぽいなぁと思っていたら案の定ポールはカシウスだった。

そして、話が進んで最終局面で、実はギアリーも二重スパイでした…というオチ。

しかし、ギアリーのバックグラウンドも、ポールのバックグラウンドも、ぶっちゃけなにもわからないままにネタバラシをされていくので、

「まじか!!めっちゃどんでん返し!!」

という印象もなく、「ふーん」と時だけが進む映画になってしまっている。

私の感覚としては、やっぱりポールを主軸(どんでん返しのキモ)として置いて欲しかったかな…と思った。

ポールとギアリーで犯人らしき人物をどんどん追っていくんだけど、最終的には実はポールが犯人で、これまでのことは全てポールによる自作自演でしたー!伏線も回収しまーす!

という、まさにサスペンス映画のようなストーリーだったら面白かったのに…と思う。

ストーリーはまぁよかったし、俳優たちもよかっただけに、ちょっと…微妙すぎる展開だったかなと思う。

『顔のないスパイ』は、バックグラウンドの掘り下げがない

『顔のないスパイ』で致命的だな…と思ったのが、先にも少し紹介したが、キャラクターそれぞれのバックグラウンドがほとんど登場しないところだ。

例えば、ポールを例に挙げてみよう。

ポールは、カシウスとして殺人を次々に行っていったが、ボズロスキーに妻子を殺されてからは、とにかくロシア人たちを殺めていた。

では、そもそもなぜポールはカシウスになったのか…。

なぜ殺しをし始めたのか…。

その辺のバックグラウンドがほとんどなく、「はい、ポールはカシウスですよ」と無理やり設定を押し付けられている感じがして、いまいち感情移入ができない。

また、ギアリーのバックグラウンドもかなり不透明である。

なぜギアリーは二重スパイになったのか…。それはおそらく、カシウスを追うためなのだろうが、ギアリーについての掘り下げがほとんどなかったため、おそらくこの映画のキモだったであろう「実はギアリーは二重スパイ」というのも全然「ふーん」という感じでサラッと流れてしまった。

『顔のないスパイ』は、ギアリーのことなのか

『顔のないスパイ』というタイトルが意味するのは、おそらくポールのことではなく、ギアリーのことなのだと思う。

ポールももちろんカシウスとしてスパイ的なことをしていたが、ポールはカシウス以上の顔を持っていなかった。そもそもカシウスが特上の顔だったため、それ以上を得るのは難しい話である。

その点、ギアリーは全くもって不自然なほど身元がわからない。

ハーバード大学でカシウスを論文にしたこと、家族がいること以外、なんだかよくわからない。そう考えると、ギアリーは確かにスパイっぽい。

顔のあるスパイは、おそらく普通のスパイである。

しかし、『顔のないスパイ』は、本当に身元がわからない…ということの現れなのだと思う。

原題も「The Double」と…いわば「二重スパイ」という意味になっているし。

映画を見終わるまで、「なにが顔がないんだろう」と思っていたけれど、自分の中でなんとなく辻褄が合った瞬間である…。

『顔のないスパイ』を総合評価するなら?

『顔のないスパイ』を総合評価するなら、星5中の星3評価である。

うーん、個人的には微妙。

最初の方のワクワク感はすごかったんだけど、中盤でサラッとカシウスの正体がポールだとわかってしまうし、カシウスを追うギアリーがどんどん正体へ近づいていく様も、あまりドキドキしなかった…。

全体として雰囲気はいいのに、勿体無い構成だと思う。

キャスティングなどはよかっただけに、残念だ。

『顔のないスパイ』はどんな人にオススメ?

『顔のないスパイ』は、スパイ映画・サスペンス映画が好きな人にはオススメしたい。

かなり消化不良的ではあるが、見ておいて損はないレベルの作品である。

終わりに

『顔のないスパイ』についてレビューしてきた。

うーん、特になにもいうことがないので、ここらで終わりにしよう笑。

ではでは。