ふぉぐです。
ついさっき、『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
Contents
『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』ってどんな映画?あらすじは?
『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』は、2006年公開のアニメ映画。
監督はムトウユージ。
あらすじとしては、「春日部がある噂で持ちきりになり、野原一家はその噂に翻弄されることになる」というストーリーである。
ふたば幼稚園職員のよしなが先生、まつざか先生、上尾先生はとある居酒屋で話し合いをしていた。
それは、今度のお遊戯会での出し物についてだった。
まつざか先生は、「サンバをやりたい」と提案するも、よしなが先生と上尾先生は恥ずかしいという理由で反対。
店が閉まる頃、3人はそれぞれ帰路に着くのだった。
しかし、よしなが先生が誰もいない商店街を歩いていると、何やら不穏な空気を感じる。
遮断機が閉まりそうになるところを走って渡り、なんとか一息つく。
ふっと後ろを振り返ると、電車から人がこちらを見ていた。
そして前を向くと、そこには自分のそっくりさんがいたのだった…。
次の日の朝。いつものごとく慌ただしい野原家。
しんのすけはトイレから出てこず、幼稚園のバスを待たせていた。
園長がそろそろバスを出発させようとすると、よしなが先生がいつもとは違うテンションでしんのすけのことを待つように説得した。
しんのすけのお下品なネタにも明るく接してくれるよしなが先生。
何やらいつものよしなが先生とは違う…ということを察したみさえは、さっさと幼稚園のバスを行かせるのだった。
幼稚園では、マサオが「あいちゃんの様子がおかしい」と話していた。
いつもはマサオに横暴な態度をとる酢乙女あいが、なぜかマサオのことを「マー様」と呼んでいたのだった。
普通は嬉しいはずなのに、どこか違和感を感じるマサオ。
すると、ボーちゃんが、
「最近、妙な噂を聞いた。本物そっくりなニセモノが現れて、そのニセモノが本物のふりをする。本物は、どこかに消えてしまう」
初めは「どーせ嘘だよ」と言っていたカスカベ防衛隊の面々だったが、徐々に迫り来るニセモノの影がそこにはあった。
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』は、前半から後半にかけて面白さが減速していく映画だった
というわけで『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』を観終わった。
まず思ったことといえば、
「前半は面白いのに、後半から減速していくなぁ…」
ということである。
ぶっちゃけ、前半部分だけならそれこそ評価点5をつけてもいいぐらいの面白さである。
クレヨンしんちゃんといえば、たまにホラー回があることで有名だし、そのホラー回が子どもアニメとは思えないほど怖いのだが、その映画版と考えても差し支えない。
風間くんのママが包丁で無表情に鳥を切っているシーンとかそれだけで怖いし、何よりそのあとに口裂け女のようにガバッと口が開いて、長すぎる下で鳥を食べるシーンは恐ろしすぎる。
「街の人々が、どんどんニセモノに変わっていく」
という、足音一つせずに近づいてくるストーカーのような怖さを感じる。
さらには、ニセモノかどうかを調べる術は「サンバが好きかどうか」というところしかない。
いつの間にかニセモノに変わっている…というのが、『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』における恐怖の源泉である。
しかし、後半の展開は残念すぎる。
ジャッキーが野原一家と風間くん以外のカスカベ防衛隊を車に乗せて、山道を走るところまではよかったのに、そこからの展開が乱雑すぎて、なおかつつまらなすぎて…。
あまり使いたくない表現なのだが、あえて言わせていただくと、「ヤバイ」。
ヤバイぐらい面白さが減速していくのである。
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』の面白さが減速していく理由は?
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』の面白さが減速していく理由を個人的に考えてみたので、ここで紹介しておきたい。
なぜ、ニセモノを普及させる必要があったのか
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』は、本物の人間そっくりのニセモノが現れるところに面白さがあると思うのだが、
「なぜニセモノを普及させる必要があったのか」
というところが不透明すぎる。それゆえに面白さが減速していく。
別にニセモノを普及させなくてもサンバの良さを教えれば済む話なのでは…なんて無粋なことを考えてはいけないだろうか…。
ジャッキーを狙撃したアイツは誰なんだ
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』には、キングオブサンバであるアミーゴスズキの側近のような人物が出てくる。マスクを被ったチコという人物である。
ちゃんと名前まであって、最終的にはジャッキーを狙撃するぐらいのやつなのに、チコに関しての説明がほとんどない。
キャラの全てを映画内で表現しろとは言わないけれど、やはり主要キャラにはバックグラウンドが必要であり、そのバックグラウンドによって物語への心の移入度も高くなる。
例えば、「オトナ帝国」でいうところのケンが最たる例である。
ケンについて、映画内では年齢も身長も本名もほとんど語られないが、「20世紀は最高だった」という確かな価値観を持って「20世紀博」を作ったことだけはケンのセリフの端々から容易に推測できる。
ケンの恋人であるチャコも、ケンと同じく21世紀を恨んでいるような描写があるから、なんとなく感情移入できる。
しかし、今回のチコに関してはマジでなんの描写もないし、なんならサンバを踊っているような描写もなかった。
全くもって謎の存在になってしまっている。
なぜ、サンバだったのか
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』において最も個人的に謎だったのが、
「なぜサンバだったのか」
という理由についてである。
別にサンバでなくてもよかったのではないだろうか…。
作中で、「サンバによる美容と健康を追い求めるうちに今回の事件を起こした」的なことがアミーゴスズキから語られていたが、「なぜサンバが好きなのか」については語られていない。
例えば、親が代々サンバを踊る家系で…とか。
なんかこう、それこそさっきも言ったように「サンバを踊るようになったバックグラウンド(理由)」がないと、そもそもなぜサンバを踊っているのか…理解ができないのだ…。
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』を総合評価するなら?
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』を総合評価するなら、星5中の星3評価である。
うーん、前半のホラーパートは星5でもいいぐらい面白いのだが、本当にもう…そこからの減速具合がとんでもなさすぎて萎えてしまう。
前半パートを星5とするなら、後半パートは星1レベルである。
よって、その間をとって星3評価が妥当かな…って感じである。
全体として、ギャグも少なく、クレしんらしさはそこまで感じない…が、本当にホラーパートは見事である。
しかし、後半のサンバ対決はかなりダレるし、見ていて面白いとは感じない…。
総評としては若干中途半端な出来かな…という感想だ。
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』はどんな人にオススメ?
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』は、ホラー要素が強いので、ホラー映画好きにはオススメしたいところである。
また、がっつりホラーというわけではないので、ホラー映画初心者にもお勧めできる点は良い。
ただし、子どもたちには刺激が強いかもしれないので、閲覧注意である。
終わりに
『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』についてレビューしてきた。
余談だが、『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』における、サンバを踊っている時のあの腰の動きは果たして本当にできるのだろうか?と思って実際にやってみた。
しかし、『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』のようにあんな早く動かすことはできなかった…。
ちょっと腰が…痛い…。