ふぉぐです。
ついさっき、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』を観終わった。
『アッパレ!戦国大合戦』を観たのはこれで何度目かわからないが、『アッパレ!戦国大合戦』といえば最後の「井尻又兵衛が撃たれる」というシーンにおいて、誰もが様々な考察を寄せていると思う。
今回は、『アッパレ!戦国大合戦』において、
「井尻又兵衛を撃ったのは誰だったのか」
について、個人的な考察を繰り広げていきたい。
Contents
『アッパレ!戦国大合戦』で、井尻又兵衛を撃ったのは誰なのか
というわけで、さっそくではあるが『アッパレ!戦国大合戦』で井尻又兵衛を撃ったのは誰だったのかを考察していこうと思う。
候補1:大蔵井の軍勢が撃った説
まず真っ先に「井尻又兵衛を撃った可能性のあるもの」としてあげられるのが、井尻又兵衛率いる春日の軍勢が戦った大蔵井の軍勢だろう。
大蔵井の軍勢は、まさに井尻又兵衛を撃つに値する動機がある。
大蔵井の軍勢からすれば、井尻又兵衛は敵方の大将である。それだけでも撃つ動機があるし、何より「戦に負けた腹いせ」という報復的な動機がないこともない。
だが、個人的には大蔵井の軍勢が又兵衛を撃った説に関して否定的な意見を述べてみたい。
まず、大蔵井の大将である高虎は、首を取られずにちょんまげだけ切り取られるという、戦国時代にしてみればありえない「勝ち方」で助かった身分である。
高虎は一国一城の主人であるとともに武士であるから、「逆に死なないことは恥ずべきことだ」的な考えがあってもおかしくないのだが、そうは言っても人間死ぬのは惜しいし怖い。
そう考えると、高虎が助かったことは高虎自身も喜ばしいことだし、自国の大将の首を取らずに助けたことは、大蔵井の軍勢からしてみても嬉しいことのはずだ。
このような観点から、大蔵井の軍勢が井尻又兵衛を撃つには動機が薄れているような気がする。
また、「敵方」といううってつけの「井尻又兵衛を撃つ可能性が高いもの」として、観客にミスリード的な考えを制作側が与えている可能性も高い。
これらのことから、大蔵井の軍勢の歩兵たちが井尻又兵衛を撃った説は個人的に否定的である。
候補2:春日の軍勢が撃った説
井尻又兵衛が撃たれた箇所をみていると、井尻又兵衛から平行線上にいる人の可能性が高い。
例えば、もし井尻又兵衛からみて斜めにいる人物が井尻又兵衛を撃ったとしたら、体に平行な撃たれ痕が残るわけがない。
あの撃たれ痕をみた限りでは、井尻又兵衛から平行線上にいる人物が井尻又兵衛を撃ったと考えるのが妥当である。
そう考えると、実は大蔵井の軍勢が井尻又兵衛を撃った可能性はどんどん否定的になっていく。
戦で勝利して陣地に帰還する井尻又兵衛たちからみて、大蔵井の軍勢は右側にいるのである。
それに対し、井尻又兵衛の撃たれ痕は左。どう考えても大蔵井の軍勢が撃ったとは考えにくい。
また、戦が始まった時、大蔵井の軍勢が遠くから銃で威嚇射撃をしているシーンがあるが、あの距離でも「カツンカツン」と弾が人間に当たらないぐらいの精度の悪さである。
なので、あれだけハッキリと井尻又兵衛に撃たれ痕が残ることは考えにくい。
そう考えていくと、実は春日の軍勢が井尻又兵衛を撃った説が強まるのでは…?とも思う。
実際、井尻又兵衛は前方から銃で撃たれている様子がわかる。なぜかというと、撃たれ痕が前にしか付いてないのである。
まさかあの時代の銃が、鎧を着ている人間を後ろから撃って前まで貫通させることができるとは思えない。
だが、春日の軍勢が撃った説には疑問がある。
「なぜ、井尻又兵衛を撃つ必要があるの?」という動機だ。
ぶっちゃけ、井尻又兵衛は国の英雄であり、勝利に導いてくれた軍神である。
あの時代は、国こそが農民を助けてくれる唯一の船だったわけで、自国の最強戦士を撃ち殺すことは自分の死、および国の死を意味するに等しい。
なので、春日の軍勢(軍勢というか自陣で女子供を守っていた歩兵)が井尻又兵衛を撃つとは考えにくい。
候補3:以前、又兵衛を撃とうとしていた歩兵の弾が時空を超えてきた説
『アッパレ!戦国大合戦』の井尻又兵衛を殺した論争において最も有名なのが、
「井尻又兵衛を撃とうとして、しんのすけに邪魔された歩兵」の弾が、時空を超えて又兵衛を貫いた…というものである。
確かに、井尻又兵衛自身も「あの時は俺は死んでいたのだ」的なことを言っているから、この説が出てくるのもおかしいことではない。
だが、又兵衛が撃たれるシーンでは、銃声が聞こえている。銃声が聞こえているということは、弾だけが未来に飛んできたのではなく、そもそもあの歩兵たちが時空を超えてきた可能性の方が高い。
候補4:未来人がやってきて、過去と未来との整合性を図るために撃った説
個人的に、「未来人がやってきて、過去と未来との整合性を図るために井尻又兵衛を撃った説」が高いと思っている。
一見すると「バカバカしい」と思われるかもしれないが、歩兵の弾が時空を超えた説も言ってみればバカバカしいし、実は根拠となるものがいくつかあるので紹介していこう。
まず、クレヨンしんちゃんにおいて「未来人」と呼ばれる人たちは映画で度々登場している。
わかりやすいところでいうと「雲黒斎の野望」にも未来人が出てくる。ネタバレになるが、そもそも雲黒斎自体が未来人だったわけだし。
過去が変化することで、未来にも影響が出てきてしまう。なので、過去と未来とで整合性を図るために、未来の特殊警察的な人が送り込まれた可能性が高い。
それこそ、井尻又兵衛が生きることで、いるはずのない子孫が未来に登場してしまって、未来が色々とぐじゃぐじゃになってしまったわけだ。
そして、あの銃声も気になる。
『アッパレ!戦国大合戦』での銃声は、どちらかというとあまり音の大きくない銃声がする。しんのすけが戦国時代にやってきて、戦を見ている時のシーンなんかが特にそうで、現代における拳銃みたいな、荒々しい音がするわけではない。
どちらかというと「パーン」みたいな音がしているのがわかる。ちょっと軽めというか。
それに比べ、又兵衛が撃たれた時の銃声は、まるでライフル銃のような大きい音が響いている。
もちろん、「戦も終わってみんなシーンとしてたから、音が大きくこだましたんだよ!」という可能性もあるが、あそこまで大きい音が出るだろうか…。
と考えると、実は未来人が戦国時代に来訪し、ライフル銃で遠方から撃った可能性が出てくるわけだ。それに、井尻又兵衛は前から撃たれているっぽいので、春日側から未来人が撃ったと考えるのが妥当かもしれない。さらにライフル銃なら、あの堅牢な鎧を貫くことも容易いだろう。
これらの要因から、「未来人が井尻又兵衛を撃った説」があるかなぁとも思う。
また、同じような要因として、「大蔵井高虎」の子孫が未来からやってきて、井尻又兵衛を殺した可能性もあるだろう。
大蔵井高虎は井尻又兵衛に助けられ、おそらく子孫を残していくはずだ。そしてその血は脈々と引き継がれ、西暦2500年ぐらいになって、
「実は井尻又兵衛というやつに助けられたが、もしあいつがいなければ春日の国は大蔵井家の物になってたかもしれないな」
という話が浮上して、過去と未来との整合性を図るためにも、井尻又兵衛を殺した…と考えることもできる。
終わりに
というわけで、『アッパレ!戦国大合戦』で井尻又兵衛が撃ったのは誰だったのかについて考察してきた。
ここまで考察しておいてなんだが、この問題には答えがない。答えを知るのは監督の原さんのみで、我々は考察を重ねて夢を見るしかないのである。
それにしても、『アッパレ!戦国大合戦』は名作である。
ぜひ、あなたももう一度、『アッパレ!戦国大合戦』を鑑賞してみてはいかがだろうか。