【ネタバレ感想】『男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)』は、桃井かおりの癖が強すぎる作品だった

ふぉぐです。

ついさっき、『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。




『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』ってどんな映画?あらすじは?

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』は、1979年公開のコメディ映画。男はつらいよシリーズの第23作。

監督は山田洋次。主演は渥美清、倍賞千恵子、前田吟。マドンナ役に桃井かおり。マドンナの恋人役として布施明。

あらすじとしては、「親が組んだ結婚式を飛び出したマドンナが、寅さんの元へとやってくる」という物語である。

寅次郎は夢を見ていた。

戦前の柴又。帝釈天でお参りをしていたさくらは、マッドサイエンティストで便秘薬の開発をしている兄の寅次郎を近所の子どもにバカにされ、また道ゆく人からは顔を背けられるようなそぶりをされていた。

柴又に構えた寅次郎の研究所では、寅次郎が寝る間も惜しんで便秘薬を開発していた。

そして、ついに完成か!?と思ったところで、研究所が大爆発を起こすのだった。

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タコ社長の工場に勤めている工員が結婚式をした。

と同時に寅次郎も帰ってきて、久々のとらやでの団欒。かと思いきや、寅次郎は工員が結婚することへネチネチと嫌味を言ったため、タコ社長と喧嘩になりかける。

しかし、夕方になる頃には寅次郎もタコ社長も落ち着いて、お互いに謝るのだった。

満男が作文で三重丸をもらったことをきっかけに、寅次郎は満男の作文を音読し始める。

最初こそ和やかだったものの、後半には寅次郎についてのことが書かれていて、それを読んだ寅次郎は機嫌を悪くし、プイッと旅へ出るのだった。

北海道でテキ屋をしていた寅次郎は、ある天気の良い日に車に乗った若い女性と知り合う。

「車に乗っていかない?」

と誘ってくる女性だったが、

「若い女性が見ず知らずの男に声かけちゃあいけないよ」

と軽く諭し、女性は車でどこかへ行ってしまうのだった。

そして数日後。

車が動かなくなって立ち往生している若い女性の元へ、一台の車が応援に駆けつける。

しかし、その車はナンパ目的の男が乗った車で、若い女性は男性がズボンを脱ごうとしているところで逃げる。

そこへ、寅次郎がやってきて、男は逃げるように去っていくのだった。

その若い女性は、ついこの前寅次郎に「乗っていかない?」と誘った女性だった。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)』は、桃井かおりの癖が強すぎる作品だった

というわけで『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』を観終わったわけだが…。

まず最初の印象としては、

「桃井かおりの癖が強すぎるな笑」

ということである。

これまでのどんなマドンナよりも、めちゃくちゃ癖の強いマドンナだったように思う。

美人さんには美人さんなんだけれど、どこか不思議すぎる印象があるというか…。

個性が爆発しているというか…。

映画冒頭の寅次郎の夢で大爆発が起こるシーンは、桃井かおりの個性が爆発していることへの伏線だった…わけないよね。

結婚への捉え方の違い

今作『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』では、桃井かおり演じるひとみの「結婚の捉え方」が焦点になっているように私は思った。

ひとみは、結婚式を抜け出してとらやへタクシーを飛ばしてくる。

そして、とらやの面々と結婚に対する思いを赤裸々に語り出す。

「結婚て、なんだか女としてそれで終わっちゃうような気がして…」

そして、そのあとにこう続ける。

「男の人は、そんなこと思わないんでしょうね…」

いかにもひとみらしい発言である。

「ひとみらしい」というのは、田園調布という高級住宅街が実家のお金持ちらしい発言だ…という意味である。

第18作のマドンナ・柳生綾も、いわゆるお金持ちの家系に育ったがゆえにどこか浮世離れしている感じがしたのだが、まさにひとみも柳生綾と同じ匂いがするわけである。

このように、どこか「結婚」というものに対して独自の視点を持っていたひとみだったが、邦男の心の内を知って、決心が変わった。

これは私なりの解釈だが、おそらくひとみは、

「男の人も同じ考えだったんだ…」

と新しい発見をしたのではないか…と思った。

というのも、結婚式から逃げ出してきたひとみの「男」に対する感情は、

「男の人は、女みたいな感情は抱かないのよね…」

というものである。

この感情の裏にあるのは、おそらく自分の父が母にしていたこと、母の姿を見て育ったからこその感情なのだと察する。

「私、幸せになりたいの」

と母に直訴するひとみの姿を見ていても、

「母のようにはなりたくない」

という思いが見て取れる。そう、ひとみは偏見が強かったのだ。

しかし、邦男の気持ちを知ってひとみは考えを改める。

邦男が、ずっと自分のことを考えてくれていることを知って、「幸せ」というふわふわしたものの答えが出たのだと思う。

結婚式を抜け出したことがきっかけで、「いろんな人に迷惑をかけている」ということを知り、また邦男と深く接していくことで「男の人」というものを知り…。

浮世離れしていた感覚から、徐々に浮世へ近づいてきた…。

そんな「人の成長」が実感できる作品だったように思うのである。

寅次郎とさくらが、仲人役

今作では、第1作のように感動する結婚式シーンが登場する。

しかし、今作で違うのは、寅さんとさくらが仲人役を仰せつかることにある。

このシーンだけ見ても、「男はつらいよシリーズ」における本物のマドンナはさくらだということがわかる。

もし、さくらが寅さんの妹ではなくてどこかのお嬢さんだったら…。

もしかしたら、寅さんとさくらは結ばれていたかもしれない。

しかし、実の妹とまさか結婚するわけにもいかないし、恋愛感情も持つわけがない。

厄介者として扱われがちな寅さんのことを本気で心配しているさくらこそ、寅さんにとってのマドンナなのである。

ああ、男はつらいよ…。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』を総合評価するなら?

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。

布施明、やはり最高の歌唱力である。

結婚式で歌を歌うシーンには感動したし、何より全体的にさくさくっと物語が進んでいくのも良い。

今作はコメディ要素もたくさん盛り込まれているので、飽きることなく見れたのは好印象。

ただ、桃井かおりの演技については好き嫌いが別れるところでもあるので、その点を加味して星4評価とさせていただいた。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』はどんな人にオススメ?

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』は、男はつらいよシリーズでも感動できる作品の一つなので、感動したい人にはぜひオススメだ。

布施明の素晴らしい歌唱力も拝めるので、布施明ファンにもおすすめである。

終わりに

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』についてレビューしてきた。

余談だが、今作では2代目おいちゃんの松村達雄さんが、結婚式の仲人役として登場している。

なんだか見た顔だなぁ…?と思っていたら、

「あ、そうか!2代目おいちゃんじゃん!」

とハッと記憶を引っ張ってきた感じである。

残念ながら3代目おいちゃんの下條正巳さんとの共演はなかったが、男はつらいよシリーズで歴代のおいちゃんが出てくるとなんだか感慨深いものがある。

さて、次はどの話で出てくるかな…楽しみである。