ふぉぐです。
ついさっき、『男はつらいよ 寅次郎の休日』を観終わったのでさっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
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『男はつらいよ 寅次郎の休日』ってどんな映画?あらすじは?
『男はつらいよ 寅次郎の休日』は、1990年公開のコメディ映画。男はつらいよシリーズの第43作。
監督は山田洋次。主演は渥美清、倍賞千恵子、前田吟。マドンナ役に後藤久美子。
あらすじとしては、「母とは別の女性と大分県で暮らしているという泉の父親。その父親を探しに、泉は大分県は日田へと向かうのだった」という物語である。
寅次郎は夢を見ていた。
平安時代。貴族としてお月見をしていた寅次郎の元に、一人旅をしている女性がやってくる。
その女性は柴又村からやってきた「さくら式部」という女性で、昔生き別れた「あにじゃびと」を探す旅にをしているのだった…。
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諏訪家では、満男が大学をサボり気味になっていて、なおかつ電車通学ではなくバイク通学をしていることに両親共々あきれていた。
満男としては、いつまでも子ども扱いしてくる両親に嫌気がさしていて、通っている大学がある八王子にアパートを探そうと思っていた。
ある日、満男が八王子でアパートを探してすぐに引っ越そうと思っていると、なんと名古屋から及川泉がやってきていた。
泉は、くるまやに顔を出してから、さくらとともに諏訪家へとお邪魔になっていたのだった。
引っ越しをしようと思っていた満男だったが、すぐに引越しは延期。泉とともに楽しいひと時を過ごすのだった。
柴又では、寅次郎が旅から帰ってきた。
くるまやへ帰ってくるが、くるまやの面々、およびタコ社長の反応が鈍いことにイラっときた寅次郎は、帝釈天へとお参りに行こうとする。
そこに、満男と泉がやってきて、寅次郎は泉のお悩み相談をすることになる。
泉は、どうやら父を探しに東京まで出てきたのだが、父が働いていた会社に顔を出すと、すでに父は会社を辞めていた。
大分県は日田にいるという情報を聞きつけたが、流石に遠すぎる…ということで、泉は明日にでも名古屋へと帰る決心をしている…ということを寅次郎に話すのだった。
しかし次の日、満男が泉を送りに東京駅までいくと、なんと泉は名古屋行きの切符ではなく博多行きの切符を購入していた。
大分県は日田へと向かうつもりだった。
満男は、迷った結果、泉とともに大分県へと向かうことになる。
ちょうどくるまやへ泉の母親が来て、寅次郎も泉の母親とともに日田へと向かうことになるのだった。
『男はつらいよ 寅次郎の休日(第43作)』は、寅さんの幸せを擬似化した作品だった
というわけで『男はつらいよ 寅次郎の休日』を観終わった。
今作の感想をまず言うなら、
「寅さんの幸せを擬似化した作品だなぁ…」
という感じだろうか。
というのも、今作のタイトル、「寅次郎の休日」という意味が私にはよくわからなかったのだ。
そう、寅さんといえば、いつも暇なはず。
自分でも、今作で「俺はいつも暇ですから」なんて言っているぐらいに暇なのだ。
だから、寅さん的にいえば「毎日が休日」ってなもんである。
しかし、今作に関してはタイトルで、あえて「休日」と入れているところに深みを感じた。
つまり、いつも休日なはずの寅さんだが、あえて「休日」と入れることで、寅さんにとっての休日が訪れる…という示唆をしているわけだ。いわば伏線的な感じだろうか。
寅さんにとっての休日とは、家でのんびりすることではなく、もちろんテキ屋商売に精を出すわけでもない。
寅さんにとっての休日とは、
「幸せを実感すること」
にある。
その幸せとは、もちろん「恋愛のゴール」。
要は結婚生活こそが寅さんにとっての休日なのではないだろうか。
今作『男はつらいよ 寅次郎の休日』では、まさに結婚生活のような展開があった。
泉の母親の礼子が、寅さんのことを「あなた」なんて呼んだりしながら、寅さんも嬉しいそぶりを見せるのである。
しかし、休日もいつかは終わる。
寅さんは、礼子が別部屋で泣いているのを聞いてしまい、満男に「おじさん、慰めに行ってあげたら…?」と言われ、「いいから寝ろ!」とその場をやり過ごす。
寅さんの束の間の休日は、すぐに終焉を迎えるのであった…。
寅さんの考える、「幸せ」とはなんなのか
今作『男はつらいよ 寅次郎の休日』の最終シーンで、満男が金町から柴又へ自転車を走らせるシーンで、幸せについて考えるところがある。
「おじさんは自分で自分を幸せだと思っているかもしれないけど、母さん達から見ればおじさんは幸せではないと思う。いったいどっちが正しいんだろう」
と。
寅さんの考える幸せとは、恐らくだが…やはり、「家族が揃うこと」なのかもしれない。
そういう意味でいうなら、寅さんは自分のことを不幸だと思っているのかもしれない。
しかし、満男の語りシーンでは、
「タコ社長は、寅さんみたいな人が一番幸せなんだよ…と言っているけれど…」
というセリフも出てくる。
タコ社長やおいちゃんおばちゃんのような中小&個人経営からすれば、フーテン暮らしの寅さんは幸せそのものなのかもしれない。
逆に、寅さんからすれば、タコ社長やおいちゃんおばちゃんのような暮らしこそが幸せに思えるのではないだろうか。
寅さんの考える幸せは、まさに「家族が揃うこと」…つまりは「結婚生活」なのだ。
だが、「正しさ」でいうならば、寅さんの考える幸せも、タコ社長達が考える幸せもどちらも正しいはずだ。
幸せに「正しさ」はない。
だが、今作『男はつらいよ 寅次郎の休日』のタイトルである「休日」という言葉に、寅さんなりの幸せへの考え方が詰まっているんじゃないかな…と。
私はそう感じた。
『男はつらいよ 寅次郎の休日』を総合評価するなら?
『男はつらいよ 寅次郎の休日』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
全体としては好印象。前作に比べると若干…間延びする感じが個人的にあったけれども、そうは言っても男はつらいよにハズレなし。
寅さんの出演シーンがだいぶ少なくなってしまってはいるけれども、満男が寅さんを引き立ててくれている。
寅さん主体ではない男はつらいよもまた、良い作品である。
『男はつらいよ 寅次郎の休日』はどんな人にオススメ?
『男はつらいよ 寅次郎の休日』は、前作を観た人にオススメしたい。
前作を観ていないと、なぜ後藤久美子演じる及川泉が満男と親しいのかが理解できないだろう。
なので、今作を見る前にまず前作から観ておくのをオススメしたい。
終わりに
『男はつらいよ 寅次郎の休日』についてレビューしてきた。
今作ぐらいから、どうやら渥美清さんの体調面に衰えが出てきたらしい。
Wikipediaにも次のようにある。
- 渥美の葬儀で山田監督が読んだ弔辞によるとこの頃から「渥美の体の衰えが目立つようになっていた」との事である。
(Wikipediaより引用:男はつらいよ 寅次郎の休日)
今作の時点で、恐らく年齢としては61〜62ぐらいだろう。
体力の衰えとしては仕方のない年齢なのかもしれない。
だが、寅さんを見る限りでは、渥美さんが60代だとは思えない。
まだまだ50歳前半ぐらいだと思っていた。
今作で43作目。特別編を入れないで考えるとあと5作で終わってしまう。
ああ、寂しい。