ふぉぐです。
ついさっき、「星を追う子ども」を観終わったので、備忘録的な意味合い強めで映画レビューをしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ無しでレビューをしていくので、これから「星を追う子ども」を観ようと思っている人そこのあなたに役立つレビューになれば嬉しいことこの上ない。
では、早速レビューに移ろう!
Contents
星を追う子どもってどんな映画?あらすじは?
星を追う子どもは2011年公開のアニメーション映画である。
原作・脚本・監督共に新海誠である。
あらすじとしては、現実世界とは違う世界を冒険するファンタジー映画となっている。
1970年代の日本。中学生の明日菜(映画内で具体的な学年を説明されないので曖昧ではあるが、多分中学生ぐらい)は、幼い頃に父親を亡くして母と二人暮らしをしている優しくて家事全般をこなす女の子。
明日菜の趣味は、山の高い岩に登って父親の形見であるラジオを聴くことだった。
ある日、いつものようにラジオを聴いていると、ふと聴きなれない曲が流れてくる。
その日以来、同じ曲が流れてくることはなかった。
そんなある時、学校で「クマが陸橋付近で出た」という情報を聞く。明日菜がいつも一人で過ごしている山の秘密基地は、その陸橋を通らないと行くことができない。意を決して陸橋に行こうとするが、目の前にはクマのような…恐ろしいバケモノが現れた。
バケモノに襲われそうになったところを、間一髪で男の子に助けられる明日菜。明日菜を助けると、その男の子は「もうこの山には来ない方がいい」と言い残し、どこかに行ってしまった。
後日、明日菜が学校を休んで山に行くと、その男の子がいた。名前は「シュン」といい、どうやら「アガルタ」という場所から来たらしい。
明日菜のおでこにいきなりキスをするシュン。明日菜は火照ってしまい、その日はそそくさと家に帰る。
しかし、シュンはその日、山の岩から落ちて死んでしまう。それと同時ぐらいに、明日菜のクラスの妊娠した担任の先生の代わりに、臨時の先生がやってくる。森崎先生だ。
森崎先生は、「アガルタ」についてなぜか詳しかった。文献をいくつも読み漁り、研究しているのだという。
明日菜は、森崎先生の家に行った帰り道、いつもラジオを聴いている岩山で光るモノを見た。
岩山にいってみると、死んだはずのシュンが生きていた!…いや、シュンではない。何か口調が荒い。
そこから、明日菜はシュンらしきその男の子とともに、謎の組織に追われてアガルタへの扉を開くことになる…。
星を追う子どもは、ジブリ感満載のファンタジーストーリーである
まず、私の初見の感想を大きな声で言いたい。
「ジ、ジブリ感すげええええ!!!」
すごいジブリしてる。ジブリジブリしてる。
ストーリー的には王道のファンタジーストーリーなんだけれど、演出がすごいジブリだ。
あまりネタバレになるので詳しくは言えないが…。
もののけ姫と風の谷のナウシカとハウルの動く城と、ラピュタとゲド戦記と千と千尋と…、となりのトトロをバニラエッセンス気味に混ぜ合わせた感じの演出をしている。結構マジで。
特に、ジブリ(というか宮崎駿監督作品)っぽいな〜と思ったのが、あの気味の悪いグニョグニョした液体感である。
例えば、もののけ姫で言うところのデイダラボッチの首を撃ち落とした後のあのゼリーみたいな液体。
ハウルが、ソフィーに洗面台をいじられて変な髪色になった後、「美しくない自分」に絶望して身体から緑の液体が出てくるあの感じ。
あの液体感がまさか新海誠監督作品で見られるとは…という感慨である。
私はぶっちゃけ、マネとかパクリとか…そういうモノに対して嫌悪感があまりない。
むしろ、新海誠監督自身も「今作はジブリ感がある(wikipedia参照)」と言ったのだから、パクリというよりもオマージュとして捉える方がいいのかもしれない。
ジブリ感があったからなのか、退屈せずに最後まで観れた。
「星を追う子ども」では、ラピュタでいうところの「飛行石」みたいなアイテムが出てくる。クラヴィスという石みたいな結晶だ。
さらに言えば、ラピュタは空に浮く島を目指す物語だが、星を追う子どもは地下にある国を目指す物語になっている。
その点も、ジブリ感のする所以だろう。
相変わらず風景描写がすげえ
新海作品の全ての作品に言えることだと思うが、やっぱり風景描写がすごすぎる。
星を追う子どもでは、大きな円形の崖が出てくるシーンがある。
その崖の感じ。距離感やら光沢感やら…もうとにかく「マジでこんな風景ありそう」みたいな感じだ。
いつもの新海節はなりを潜めていた
星を追う子どもでは、ファンタジー作品だからなのか、いつもの新海節はなりを潜めていた。
ここでいう新海節とは、主人公たちが自分の心理をシーンのバックで朗読するあのスタイルのことである。秒速5センチメートルなんかがその代表例だろう。
いつもの新海作品といえば、日常に潜む切なさなどをテーマにしていることが多いので、主人公の心理面を朗読するスタイルは理にかなっていると言える。
しかし、やはりファンタジー作品だと、新海節が邪魔になりそうな感じはしなくもない。
いつもの新海節が聞けなかったのは残念なのだが、それはそうとして星を追う子どもは面白かったので致し方のないことである。
星を追う子どもを総合評価するなら?
星を追う子どもを個人的に総合評価するなら、星5中の星4である。
個人的には、星5評価まであと一歩及ばず…といった感じだろうか。
なぜなら…ちょっと感動が薄い感じがするからだ。
例えば、ラピュタを観た後のあの切なさ。ドーラ一家とは別の方向にパズーたちが小型飛行機で飛んでいくあのラストシーンはかなり切ない。
「あのあと、二人は幸せに暮らしたんかのう…」なんていう妄想まで繰り広げてしまうぐらい秀逸なシーンだと思う。
しかし、星を追う子どもはちょっとあっさりすぎるラストなのである。
ラピュタが「煮干し100匹でダシをとった、濃厚だけどしつこくない中華そば」だとするなら、
星を追う子どもは「味覇(ウェイパー)をダシにした中華そば」という感じだろうか。
味覇だから、普通に美味いラーメンを作ることはできる。味的にも申し分ない。
ただ、やっぱり何かが足りない。何か薄味っぽいし、味に深みがない…みたいな。そんな感じである。
星を追う子どもも、決して面白くないわけではない。ストーリーとしてはちゃんと道筋が立てられているし、アクションシーンもそれなりにダイナミックだ。
しかし、やはりアッサリすぎる感じは否めない…みたいな。
そういう意味で、星4評価である。
星を追う子どもをオススメするなら?
星を追う子どもをオススメするなら、まずは新海作品が好きな人である。
新海作品が好きなら、あの風景描写の美しさ、ストーリー的にも面白いので申し分ないだろう。
あとはファンタジー作品が好きな人にもオススメだ。
私は「スカイリム」というゲームをプレイしたり、ベタなところでいうとFFをプレイするのが好きなので、ファンタジーは大好物である。
私のようなファンタジー作品が好きな人なら楽しめるはずだ。
あとは、ジブリ色が強いのでジブリが好きな人も観てみると面白いかもしれない。
終わりに
今回は「星を追う子ども」をレビューしてきた。
2016年に大ヒットをぶちかました「君の名は」に比べてしまうと、やはりちょっと「いま一歩だな…」という感は否めない。
だとしても、風景描写は圧巻だし、ストーリー的にも面白いのでぜひ新海誠監督ファンは観て欲しい限りである。