【ネタバレ感想】『特捜部Q 檻の中の女』は、パンチの効いたサスペンス映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『特捜部Q 檻の中の女』をみたので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだみていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『特捜部Q 檻の中の女』ってどんな映画?あらすじは?

『特捜部Q 檻の中の女』は、2013年公開のサスペンス映画。デンマーク制作。

監督はミケル・ノルゴート。主演はニコライ・リー・コス、ファレス・ファレス。

あらすじとしては、「特捜部Qにうつされたカールは、アサドという新人とともに『自殺』と断定された未解決事件の行方を追う」という物語である。

元々殺人課にいたカールは、ある事件がきっかけで休養をとり、仕事に復帰しようとしたところ上司に「お前はもう少し休養が必要だ」として、特捜部Qという役職につくことになる。

特捜部Qの仕事内容は単純で、ここ20年間に起こった未解決事件を参照し、残務整理をする…という恐ろしく退屈そうな部だった。

まさか自分がこんなところに配属されるとは思わなかったカールは、渋々ながら特捜部Qの部屋がある地下へといく。

すると、そこにはアサドという陽気な人物がいた。

アサドはカールと同じく特捜部Qに配属された人物だったが、カールからしてみればアサドのような若人がこんなところにいてはいけない…と思い、前の役職へ戻れと諭す。

しかし、アサドの前職は倉庫でのハンコ押しだったため、それよりも特捜部Qの方が居心地がいいと言い、アサドはカールとともに事件を整理していく。

その中で、5年前に起こったある事件が飛び込んできた。

その事件は「自殺」と断定され、自殺したのはとある女性だった。

しかし、カールはおかしいと感じた。女性が自殺したのは船で、飛び降り自殺をしたというのだが、なぜか弟を同じ船に連れていたり、弟と食事をしたりしていたらしい。

自殺をする人物がそんなことをするだろうか…と疑問を持ったカールは、アサドとともに事件の全容を解明しようと試みる。

『特捜部Q 檻の中の女』は、パンチの効いたサスペンス映画だった

というわけで『特捜部Q 檻の中の女』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「パンチの効いたサスペンス映画だなぁ!」

という印象だろうか!

うーむ、個人的には面白い映画だなと感じた。

全体的に陰鬱な感じがして、映画の色…というか、画面の色も暗めである。

そのため、女性が囚われていた加圧器もおぞましく感じてくる…。そんな映画だった。

雰囲気もバッチリ、そしてストーリーもバッチリ。役者もバッチリで、全体のトータルとしてみればかなり出来の良い映画だったように思う。

『特捜部Q 檻の中の女』で残念だと思った点

『特捜部Q 檻の中の女』は、前述のようにトータルで見るととても面白い映画であることに変わりはないのだが、個人的にひとつだけ残念だと思った点がある。

それは、

「犯人の動機がいまいち掴めない」

ということである。

『特捜部Q 檻の中の女』の犯人は、女性を加圧器へ監禁する…という、人権を無視した悪逆非道さが垣間見える。

監禁をする…ということは、無差別犯罪である可能性は低い。もちろん「監禁できれば誰でもよかった」という理由がないことはないだろうが、『特捜部Q 檻の中の女』における犯人は明らかに被害者の女性を狙った犯行である。

…となると、やはり監禁をするにいたった動機があるわけだが、その動機が不明瞭なのである。

作中では、被害者女性と犯人が幼い頃に事故にあった…という演出がなされるが、それにしても監禁までに至る動機としてはちょっと弱い。

おそらく、犯人のパーソナリティー障害的な問題が渦巻いているとは思うのだけれど、その辺の詳細があまりなされておらず、

「確かに犯人は捕まったけど…動機は?」

というところで、若干の消化不良に陥るのが残念だ。

あと10分映画を伸ばして、なぜ犯人はあの女性を監禁したのか、そして1年ごとに加圧器の気圧を上げたり下げたりする理由はなんだったのかを明らかにして欲しいところであった。

『特捜部Q 檻の中の女』を総合評価するなら?

『特捜部Q 檻の中の女』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。

前述のように、全体的なトータルで見れば面白いサスペンス映画である。

全体として陰鬱な雰囲気が漂い、主人公やパートナーの関係性も、妙に距離感があって面白い。

大体こういうパートナー系の映画はコミカルチックにしすぎる傾向があるが、『特捜部Q 檻の中の女』に至っては変にイチャイチャすることもなく、終始渋い感じで幕を閉じるのが素晴らしい。

ただ、残念だったのはやはり、「犯人の動機が不明瞭」というところである。

個人的にはここさえもう少し丁寧に解説していれば、文句なしの星5評価でもよかったのに…とも思う。

ただ、それ抜きにしても面白い映画であることに変わりはないので、星4評価とさせていただこう。

『特捜部Q 檻の中の女』はどんな人にオススメ?

『特捜部Q 檻の中の女』は、サスペンス映画好きにはおすすめである。

1時間30分という映画にしては短い時間設定なのに、鑑賞した後のこの濃厚感は家系ラーメンのそれに近い。

サクッと観れて、ちゃんと見応えもある…という映画だ。

終わりに

『特捜部Q 檻の中の女』についてレビューしてきた。

どうやら、特捜部Qはシリーズ物らしく、今作の他に2019年時点で4作品ほどの映画化がされているらしい。

観ていくのが楽しみだ。