【ネタバレ感想】『8mm』は、真相までがちょっと呆気ないサスペンス映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『8mm』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『8mm』ってどんな映画?あらすじは?

『8mm』は、1999年公開のサスペンス映画。

監督はジョエル・シュマッカー。主演はニコラス・ケイジ。

あらすじとしては、「ある富豪の男性が亡くなり、その遺品を残された妻が整理していたところ、ある8mmフィルムが発見される。そのフィルムを見てみると、若い女性が数人の男にナイフで切り刻まれる…という凄惨なものだった。この女性が誰なのか…、なぜこのフィルムを主人が持っていたのか…を、私立探偵のトム・ウェルズに依頼した」という物語である。

私立探偵のトム・ウェルズは、かなりのやり手だった。

トムの評判を聞いたある富豪の女性が、トムに依頼をする。

その依頼は、「亡くなった主人の遺品から、凄惨なシーンが収められたテープが発見された。このテープに写っている女性、そしてこのフィルムをなぜ主人が持っていたのか…など、とにかく調べて欲しい」というものだった。

トムは、富豪の女性からの依頼ということで、私立探偵業としてはチャンスと思い、この依頼を引き受ける。

さっそく、フィルムテープに写されている凄惨なシーンを見て、謎を解き明かそうとする。

まず、この女性が誰なのか…ということを探るために、失踪者のファイルが保管されている施設へと足を運び、パソコンや手書きファイルを探す日々が続いていく。

ある日、ファイルを探していると、テープに写っていた女性と似た女性の写真を発見。

名前をメリー・アン・マシューズということを突き止め、さっそくメリーの実家へと足を運ぶ。

メリーの実家では、メリーがいつ帰ってくるか…というのを待っている母親が一人で暮らしていた。メリーの家は父親が逃げてしまい、今では母親一人で暮らしているのだという。

トムは、メリーの実家でメリーが書いたと思われる日記を発見。そこには、「ハリウッドに行って有名女優になるの!」といった内容が書かれていた。

トムは、さっそくハリウッドへと向かう。

凄惨なテープは、明らかに性癖趣味として撮影されたものである…という観点から、トムはアダルトビデオ・ブックなどを販売している店へと赴く。

アダルト店の店員であるマックスに話を聞くうちに、どうやらアダルト系にはかなりディープな界隈があることを突き止める。

トムは、徐々に凄惨なフィルムの真相へと迫っていくが…。

『8mm』は、真相までがちょっと呆気ないサスペンス映画だった

というわけで『8mm』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「真相までがちょっと呆気ないサスペンス映画だったなぁ…」

という感じだろうか。

脚本やニコラス・ケイジの演技力は素晴らしいんだけれど、ちょっと…真相までが結構平坦かなぁという印象を感じてしまった。

それに、謎がわかったところで、

「…うん」

みたいな、特に驚くようなこともなかった。トム周りの誰かが主犯だったらもっと面白かったのに。

あのマスクのやつが、別にストーリーで顔を合わせたわけでもないただの引きこもりっぽいおっさんだったのもちょっと微妙である。

実は、あの富豪の家の執事おじさんだったら…。

内容が面白いだけに、そこにある謎がかなり普遍的な作品だったなぁと思う。

裏テーマは、「家族と仕事、どっちが大事なのか」

『8mm』を観ていて思ったのは、この映画には裏テーマがあるな…ということである。

「家族と仕事、どっちが大事?」

ということに行き着くのではないだろうか。

ニコラス・ケイジ演じるトムは、家族のことを愛しつつも、仕事に没頭してしまっていた。そのせいで、妻はニコラスに不満をぶつける。

富豪の亡くなった男性も、あのスナッフフィルムさえ見つからなければ、最愛の妻を自殺に追いやることもなかったかもしれない。彼の場合は仕事ではないにせよ、家族というテーマでは同じである。

また、メリーを亡くした母親も、まさに家族を失った一人である。

ここまでが「家族」側の話である。

それとは逆に、「仕事」側の人間がいる。

そう、変態的なアダルトビデオの監督であるディーノ、そしてAV制作会社のエディなどがそれだ。

彼らにも家族はいるだろう。しかし、トムのように家族第一で仕事をしているとは思えない。

彼らは家族よりも仕事を選び、仕事に生きている人間である。

「家族と仕事、どっちが大事なのか」

これは人それぞれの感覚に寄るところが大きいので、答えはない。

あなたは家族と仕事、どちらが大事ですか?…そう問いかけてくるような映画だったように思う。

『8mm』を総合評価するなら?

『8mm』を総合評価するなら、星5中の星3評価である。

全体としては好印象。だけどオチ…というか、犯人に意外性がなさすぎて逆に冷めてしまう…という感じだろうか。

面白くないことはないんだけど、もっと伏線を散りばめておいて、

「え、この人が犯人だったの!?伏線は!?」

と観客にもう一度観たい!と思わせるような演出が欲しかったかな…。

『8mm』はどんな人にオススメ?

『8mm』は、サスペンス映画好きなら観ておいて損はない映画だろう。

一応雰囲気は素晴らしいし、導入部分もドキドキするので、こういう映画が好きな人はきっといるはずだ。

終わりに

『8mm』についてレビューしてきた。

裏ビデオって、めっちゃ怖いんだなぁ…と思う作品だった。

人間の欲望って、恐ろしい。