ふぉぐです。
ついさっき、『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
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『ヒトラー 〜最期の12日間〜』ってどんな映画?あらすじは?
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』は、2004年公開の戦争映画。ドイツ製作。
監督はオリヴァー・ヒルシュビーゲル。主演はブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ。
あらすじとしては、「ヒトラーの秘書として面接に来たトラウドゥル・ユンゲ。彼女視点でヒトラーの最期までを振り返る」という物語である。
トラウドゥル・ユンゲ(以下・ユンゲ)は、ミュンヘン出身の女性。ヒトラーの秘書として面接を受けに東プロイセンはラステンブルクにある総統大本営(狼の巣)を訪れた。
緊張でタイプライターでの文字起こしをミスってしまうも、なぜかヒトラーから採用をもらうのだった。それは、ユンゲがミュンヘン出身だということがヒトラーの興味を引いたとされている。
1945年4月20日。ソ連軍はすでにベルリン近郊まで迫ってきていた。ベルリンまであと12キロという目前まで迫ってきているソ連軍をどうにかしないといけない。しかし、ドイツにはもう残された戦力もほとんどない状態だった。
国家元帥やSS長官などがヒトラーに「ベルリンから逃げてください」と説得をするも、ヒトラーはベルリンに残ると強情を張る。
なんとかソ連軍への対処をするための作戦会議が開かれるも、結局ヒトラーは怒り狂うだけで会議は終わる。
軍高官たちは、口々にヒトラーへの不満を漏らす。そして、「総督も本当は現状をわかっているんだ」と、諦めたような口ぶりを見せるのだった。
そして、信頼していた軍需相のシュペーアの命令無視、そして親衛隊長官のヒムラーが和平交渉をしていることなどに神経をすり減らし、徐々に衰弱をしていく。
きたる4月30日、前日に秘書だったエヴァと結婚したヒトラーは、エヴァとともにこの世を去るのだった。
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』は、第二次世界大戦期のヒトラーを考える上で重要な作品だった
というわけで『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を観終わった。
まず最初の感想としては、
「第二次世界大戦期のヒトラーを考える上でも重要な作品だなぁ」
ということである。
我々は、ヒトラーが何をした人物で、どんな所業をしてきたのか…ということについての知識はあるものの、ではヒトラーがどんな人物だったのか…というところまでは把握していない。
例えば、ヒトラーの所業といえばユダヤ人の迫害が有名である。
それこそ、シンドラーのリストに代表されるようなホロコースト(大虐殺)などがある。
さらに、一極集中型の独裁政治っぷりもまた、「ヒトラー」という人物を象徴するようなことではないだろうか。
このように、「ホロコースト」や「独裁者」というイメージが強いヒトラーだが、ではヒトラーがどんな人物だったのか…というと、なかなか知らないことが多い。
もちろん、この映画だけでヒトラーの全てを知ることは不可能だ。
だが、ヒトラーが晩年にどんなことを思い、どんな人物だったのか…というカケラは見つけ出すことができるだろう。
ナチ党・およびヒトラーは、選ばれた独裁者
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』のなかで、個人的に印象に残ったセリフがある。
それが、宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルズ(演・ウルリッヒ・マテス)のセリフである。
「我々は国民に一度だって強制した事はない。国民が我々を選んだのだ。我々を選んだ事で彼らが没落するのだとしたら、自業自得だ!」
このセリフ、かなり奥が深いような気がした。
そう、実はヒトラーは、当時の選挙で当選した政治家だったわけだ。
つまり、きちんと民主主義としての機能を果たした選挙システムによって選ばれたのであって、ヒトラーが不正を働いて当選したわけではない。
ヒトラーを賞賛するつもりはないが、当時の若者たちにとって、ヒトラーおよびナチ党というのは、とても魅力に溢れた政治思想を持っているように見えたのだろう。
ヒトラーが「演説上手」と言われている理由は以下の通りである。
- みんなが静まり返るまで、黙る
- みんなが静まってから、話し出す
- みんなにとっての共通の敵(ナチ党はユダヤ人を敵とした)を出す事で、団結力を高める
ヒトラーは大衆を惹きつける力が半端ではなかった。大衆心理を上手に利用し、民主主義を勝ち上がって独裁者となったのである。
そう考えるのならば、宣伝相ヨーゼフが言うセリフも、わからない事はない。ヒトラーは国民によって選ばれてしまったのだから…。
このセリフを聞いた時、なんとなく脳裏で「パリは燃えているか(映像の世紀のBGM)」が流れたのを思い出す。
我々は、同じ過ちを犯してはいけないのである…。
戦争って、やっぱり怖い
戦争映画を観るといつも思うのだが、
「こんな時代が本当にあったんだもんな…」
と恐怖を感じる。
今作では特に、逃げ出した老人を憲兵が射殺するシーンや、街中で首つりをさせるアカと呼ばれる集団のシーンがあったりするのが印象的だ。
さらには、ユンゲとともに逃げる少年が、前半のシーンで爆弾を持ってソ連兵を倒そうとしていたのも印象的だ。
第二次世界大戦といえば、日本だってまさに渦中である。
私はいわゆる大東亜戦争においての知識は詳しいが、第二次世界大戦(日本以外に国の状況)にはあまり詳しくなかった。
しかし、シンドラーのリストや今作などを見ていくと、それぞれの国で大変なことが起こっていたんだなと改めて恐怖を感じる次第だ。
戦争は怖い。
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を総合評価するなら?
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
全体としてはテンポが良いように思う。
戦争映画特有のグロテスクなシーンも多いが、それ以上にヒトラーの人間性などが垣間見える点は素晴らしい。
ただ、登場人物が多くて、名前を覚えられなかったのが悔やまれる。
それ以外はおおむね高評価なので、星4評価が妥当だと判断した。
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』はどんな人にオススメ?
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』は、戦争映画が好きな人にはオススメしておきたい。
2時間30分強と長めの映画だが、ぎゅっと詰まっていて面白い映画なのは間違いないだろう。
終わりに
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』についてレビューしてきた。
余談だが、今作のヒトラー役のブルーノ・ガンツ氏は、2019年の2月にお亡くなりになられているようだ。
ご冥福をお祈りします。