【ネタバレ感想】『イノセンス』は、理解するのが難しいSFアニメ映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『イノセンス』を観終わったので、早速レビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、早速レビューに移ろう。

『イノセンス』ってどんな映画?あらすじは?

『イノセンス』は、2004年公開のSFアニメーション映画。

監督は押井守。主演はバトーの声である大塚明夫。

あらすじとしては、「少女型のロボットが、突如所有者を殺害するという事件が起き、その原因を突き止める」というストーリーになっている。

少女型の「ガイノイド(いわゆる人間の形をしたロボット)」が、突如として所有者を殺すという事件が起きる。

被害者遺族とガイノイドを販売している会社(ロクス・ソルス社)との間で、不自然なほど早く示談が成立した。

どうやら、被害者遺族の中には元公安の人物がいたり、政治家の人物がいたりしたのである。

裏で何者かが暗躍している可能性を考えた結果、公安9課が捜査を担当することになる。

バトー、そしてトグサはタッグを組み、事件解決に奔走する。

ガイノイド事件について捜査している最中、ロクス・ソルス社の部長が殺される事件が起きる。

指定暴力団の犯行と踏んだ公安9課は、バトーとトグサに「暴力団へ聞き込みしてこい」と命令する。

しかし、暴力団のアジトに入った瞬間、団員たちは敵対心丸出しで銃を向けてきたので、バトーは持ってきたマシンガンで団員を一掃。

ボスらしき人物に事情を聴取し終えて帰路につく途中、バトーはコンビニに立ち寄るが、そこでゴーストハック(ハッキング)されてしまい、自身の腕を拳銃で撃ち、挙げ句の果てにはコンビニ店長を撃とうとするところを間一髪のところで静止された。

バトーをゴーストハックした張本人は、「択捉経済特区」と呼ばれているところにいる「キム」という人物だと仮定し、バトーとトグサはすぐに向かった。

キムがいるであろう洋館にたどり着くと、今度はなんとトグサまでもがゴーストハックされた。

謎の人物からの助言で擬似現実を抜け出したバトーとトグサは、キムを確保してガイノイドのプラント船に乗り込むのだった。

『イノセンス』は、理解するのが難しいSFアニメ映画だった

『イノセンス』、ぶっちゃけめっちゃ難しい作品だった。

私は前情報なしで『イノセンス』を観たわけだが、バトーが出てきた瞬間に、

「これ攻殻機動隊なのか!!」

と悟った。

ってか、映画のOPっぽいところで「MASAMUNE SHIRO」とクレジットが出ていたので、

「ありゃ…士郎正宗さんじゃん…」と思ったらまさに攻殻機動隊だったというわけだ。

私は一応攻殻機動隊は1シーズンは全て見ているので、攻殻機動隊がどういう世界観なのかというあらかたの情報はわかっているつもりである。

しかし、攻殻機動隊がどういうアニメなのかを知っていたとしても、『イノセンス』を理解するのはなかなか難しいのではないか…とも思った。

あ、誤解されては困るのだが、「面白くない」と言っているわけではない。

私は『イノセンス』を観て面白いなと思ったし、何より攻殻機動隊が好きなので、もちろん『イノセンス』も楽しめた。

だとしても『イノセンス』を理解するのは難しいというわけだ。

というのも、難解な言葉が多い…という理由で単純に理解するのが難しい。

そして、ストーリーとしての繋がりが奇妙なので、

「あれ?これはどういうことなんだろ?」

と置いてけぼりになってしまうところも少なくない。

全体を通して難解なSFになっている点が、『イノセンス』を理解するのが難しい所以だと思われる。

人間と人形と不気味さについて

『イノセンス』で個人的にガツンと響いたセリフがある。

それは、ガイノイドの解剖をしているあの女研究者が言っていたセリフだ。

「子どもはなぜ人形遊びをすると思う?人形遊びは子どもができた時の練習ではない」

的なセリフだ。っていうかそもそも女研究者が言っていたかどうかも曖昧である。間違ってたらごめんちょ。

あと、キムが言っていたセリフも妙に覚えている。

「人形がなぜ人間にとって不気味に映るかというと、人間のような姿をしているからだ」

的なセリフである。多分ちょっと違うと思うけど笑。

『イノセンス』では、ガイノイドと呼ばれるアンドロイドっぽい人型ロボットがたくさん出てくるが、いわゆるこれを「人形」とするなら、確かに不気味さがすごい。

人間には温度や感情によって、「生きている」と実感するスイッチがたくさんあるわけだが、人形にはそれがない。

例えば、人と会った時に上機嫌なら「あ、機嫌良さそう」と思うし、不機嫌なら「なんか今日はえらく機嫌が悪そうだなぁ…何かあったのかな?」と思う。

感情によって心の温度は変化して、その温度が「生きている」という証に繋がっていく…というわけだ。

だが、人形にはその温度がないから不気味なのである。

よく、おばあちゃんの家に日本人形が置かれていて、

「不気味だなぁ」

と思ったことが何回かあるけれど、まさにそれである。

人形には心の変化がないから、人間には不気味に映るわけである。

さらには、その人形が「人の形をしている」というのも不気味さに起因しているわけである。

例えば、犬の人形に不気味さを感じることはまずないだろう。

「自分とは違う生き物である」というのがわかっているし、「自分は犬とは違う」と本能的に知っているからである。

だが、人形を見るとどういうわけか不気味に感じてしまう。

それは、人の形をしているにも関わらず、自分のように感情の変化を伴わないからだ。

私はこれまで、「なぜ不気味に思うのだろう?」と思うことがたくさんあった。

例えば、彼岸島というマンガに出てくる「邪鬼(オニ)」と呼ばれるバケモノである。

邪鬼は、人間の面影を残しつつも、全く人間ではない異質な存在になっていて、感情の変化が伴っていないから不気味に感じるのだ。

人間のような面影があるのに、人間ではない…というところに不気味さを感じるわけである。

『イノセンス』を通して、色々とこれまで抱えてきた謎が解けたように感じた(なんの話じゃ)。

『イノセンス』を総合評価するなら?

『イノセンス』を総合評価するなら、星5中の星3である。

ぶっちゃけ、難しい。

そして、ストーリー的にも浮き沈みが激しいわけではなく、結構淡々と進んでいくので、私的には物足りなさを感じた。

だが、「攻殻機動隊」として見るならば、やはりSF感がすごく面白いし、映像としての美麗さもすごい。

2004年の作品とは思えないので、星3評価でも良いのではないかと思う。

『イノセンス』はどんな人にオススメ?

『イノセンス』は、攻殻機動隊がどんな物語でどんな世界観を持った作品なのかを知っている人にオススメしたい。

それ以外の人には、『イノセンス』だけを見てもなんのこっちゃわからないと思うのでオススメはできない。

人を選ぶ作品とはまさに『イノセンス』にあるような言葉である。

終わりに

『イノセンス』についてレビューしてきた。

正直、このレビューを書くにあたって『イノセンス』のWikipediaを参考にしていたのだが、どうやら『イノセンス』は攻殻機動隊の劇場版における第2作目らしいことが判明したのだ笑。

私は1作目を観ていなかったので、なぜ少佐が失踪したのか不明だったんだけど、なるほどそういうことね…と反省した笑。