【ネタバレ感想】『トリック劇場版』は、テレビドラマの延長線的作品だった

ふぉぐです。

ついさっき、『トリック劇場版』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『トリック劇場版』ってどんな映画?あらすじは?

『トリック劇場版』は、2002年公開のサスペンス映画。

監督は堤幸彦。主演は仲間由紀恵、阿部寛。

あらすじとしては、「300年に一度、災いが起こると言われている糸節村で、神様のフリをすることになった山田。しかし、そこでとんでもない事態が待ち受ける」という物語である。

山田は、マジシャンである。

しかし、どうにも売れず、鬱屈した日々が続いていた。

そんなある日、糸節村という聞きなれない村から、二人の人物が山田を訪ねてくる。

二人は神崎と南川といい、糸節村で青年団をしているのだという。

糸節村では、300年に一度、亀による災いが起こるとされていて、その災いを食い止めるために神様がやってくる…のだという。

そこで、無名で顔も有名ではないマジシャンの山田を神様に仕立て上げよう…ということだった。

初めはそんな無謀な依頼は断ろうと思った山田だったが、謝礼金を見てやることを決意する。

すぐに糸節村へと出発するが、そこではなんとすでに山田以外に3人の神様候補がいるのだという。

ひょんなことから山田はその3人の自称神様と決闘することになるが、「どんと来い超常現象」の取材で偶然にも糸節村に来ていた上田二郎とともに、糸節村にまつわる伝説を解読していくのだった。

『トリック劇場版』は、テレビドラマの延長線的作品だった

というわけで『トリック劇場版』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「テレビドラマの延長線的な作品だなぁ!」

という印象だろうか。

私はテレビシリーズ版トリックは全てを観ているので、トリックの面白さはわかっているつもりである。

『トリック劇場版』においても、トリックらしさを存分に感じる出来だったので、個人的にはかなり満足である。

個人的に『トリック劇場版』において「ちょっとなぁ」とダメ出しをしたい点をピックアップしてみる

『トリック劇場版』は、個人的には面白い映画だったのだけれど、だとしても満点評価をあげるほどの出来ではなかったので、個人的に「ここちょっと説明欲しかったな…」という点をピックアップしていきたいと思う。

なぜ、神様を用意しなくてはならなかったのか

まず、そもそも疑問なのが、『トリック劇場版』においてなぜ「神様」を用意しなくてはならなかったのだろうか。

…というと、『トリック劇場版』におけるストーリーが根底から覆ってしまうので、なかなか難しい問題ではあるのだが、やはりその辺のつじつま合わせは欲しかったところである。

亀が300年に一度災いを起こし、それを神が救う…という言い伝えは物語の入りとしてぴったりなのに、なぜ神様をわざわざ具現化して用意しなくてはならなかったのか…がよくわからないのである。

空想として、

「神が助けてくださるはずだ!」

でもよかっただろうし、他に3人の神様候補がいたのなら、その中から災厄を除けるためだけに神様を使えばいいだけではないだろうか。

物語進行のために、強引に神様要素を作った感が否めず、違和感が残る。

エリート集団の臼井は、なぜ殺されてしまったのか

上田の同級生であるエリート集団。

その中でも特に異彩を放つのが、上田の隣でもそもそと食いまくり、たまに上田の前にある食べ物を「くれ!」といってかっさらっていた臼井だ。

(余談ではあるが、私はこの臼井が変装した山田だと思っていた…笑)

臼井は、割烹料亭のトイレで一瞬の隙を突かれて死んでしまう。

ネタバレになるが、神崎と南川によって殺されたのだという。

ではなぜ、臼井は殺されてしまったのだろうか。

特に危害があるわけでもないだろうし、徳川埋蔵金が糸節村にあるかもしれない…というところだけを知っていたわけである。

神崎と南川が誰にも知られたくない、「隠し子がいる」ということを知っているわけではないのだ。

なぜ臼井が殺されてしまったのか…よくわからない。

神001は、なぜ逃げたのか

山田と超能力対決をした神001。

なぜ、001は山田と対決してる最中に逃げたのだろうか…。よくわからない。

山田は、

「001は、とっくに逃げてるんじゃないですか?」

と001の心理を丸っとどこまでもお見通しだったわけだが、なぜ山田はそれがわかったのだろうか…。

もし、神001が逃げずにその場にいたとしたら、山田のあの貯金箱マジック(実際はマジックでもなんでもなかったけど)は成立しなくなる。

ちょっと運要素が絡みすぎているシーンだなと思った。

『トリック劇場版』を総合評価するなら?

『トリック劇場版』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。

個人的には面白い映画だと思う。

トリックらしさが存分に出ていて、サクサクと見ていける点は好印象だ。

また、主演の仲間由紀恵と阿部寛も素晴らしい。

楽しい掛け合いが映画を盛り上げてくれているなと感じた。

『トリック劇場版』はどんな人にオススメ?

『トリック劇場版』は、トリック作品が好きな人にはオススメしたい。

また、意外とちゃんとしたサスペンスものになっているので、サスペンス映画好きにもオススメしておきたい。

終わりに

『トリック劇場版』についてレビューしてきた。

余談だが、『トリック劇場版』を見るのは今回で4度目ぐらいである。

私はトリック作品がとても好きで、特に映画版の気だるい感じが好きだったりする。

またトリックの新作でも…とは思うが、下手に続編なんてやらないほうがいいのかも…と思ったりする…。

ジレンマである。