ふぉぐです。
ついさっき『ミスト』を観終わったので、早速レビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、早速レビューに移ろう。
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『ミスト』ってどんな映画?あらすじは?
『ミスト』は、2007年(日本では2008年)公開のSFホラー映画。
監督はフランク・ダラボン。主演はトーマス・ジェーン。
あらすじとしては「嵐の次の日、突如として街を襲う霧の中に、得体の知れない何かがいた」という物語である。
主人公のデヴィット・ドレイトンは、映画ポスターなどを自筆で描く美術家をを仕事にしていた。
嵐の夜、デヴィットは自宅の美術室で絵を仕上げていたが、次の日になってみると、今は亡き祖父が植えた大木が、美術室の窓を突き破っていた。猛風で根っこごと引き抜かれてしまったようだ。
せっかく描いていた絵も台無しになり、もう一度描かなければならない。
ついでにボート小屋が壊れていたりしたので、隣に住んでいる弁護士のノートンとともに、近くのスーパーへ買い出しに行くのだった。
スーパーに入って色々と物色していると、外では軍隊が出動していたり、消防車が出動したりと、なぜか物々しい雰囲気になっていた。
すると、いきなり濃霧が街を襲い、急いで逃げる中年男性のミラーが店の中に必死になって走ってきた。
ミラーは、「霧の中に何かがいる!」と叫び、店内はいきなり緊迫した状況に。
店内にいた50名ほどの客たちは、店に閉じこもり、どうするかを考えた。
客たちの論は別れていた。
「この霧は自然現象によるものだ」という論と、
「この霧は超常現象によるものだ」という論だった。
そんな中、デヴィットは店の発電システムの様子を調べるために店の裏手にいく。
すると、裏手にあるシャッターを、ものすごい勢いで叩く音がした。
急いで店内に戻って仲間を連れて戻ると、次は発電システムのエラーで店の裏手がえらい臭いになったので、若手のノームが店の外にある排気口を見に行こうとシャッターを開ける。
すると、いきなり数十本の触手が現れて、ノームはどこかに連れ去られてしまったのだった。
『ミスト』は、登場人物にイライラする箇所が多い鬱映画だった
『ミスト』を観ていて…もうずっと思っていたのが、
「この映画、めっちゃイライラさせようとして来るじゃん」
ってことだ。
映画自体はめっちゃ面白いし、閉ざされた空間でどうやって生き残っていくかを考える人々に感情移入したりしてしまった。
しかし、どうにも登場人物たちの言動にいちいちイライラが隠せない。
まず、簡単に私が「イライラしたなぁ」と思った点を列挙していこう。
- キリスト教狂信者のカーモディの存在そのもの
- 隣人の著名な弁護士であるノートン
- 「次邪魔したら殴るぞ」と言って、結局ノームを触手に殺させてしまった機械工のジム
- 触手に殺されたノーム
- スーパーマーケットの店長のブラウン
- 『ミスト』におけるヒロインのアマンダ
今思い出すだけでもこれだけイライラポイントがある。
それぞれについて詳しくイライラポイントを解説していこう。
キリスト教狂信者のカーモディ
まず、『ミスト』で一番イライラしたのがこのカーモディである。
宗教を信仰するのはその人の自由だし、そこには別になんとも思わないけれど、何でもかんでも宗教に結びつけるとこんな感じになっていくのか…と薄ら寒くなってしまった。
また、自分が神様気取りなのか知らないけれど、人々を先導していくあの感じ。怖い。人間は恐怖に落ちるとあんなクソババァのたわごとにも騙されてしまうのか…と思った。
最終的にスーパーマーケットの副店長であるオリーが、カーモディを殺すわけだけど、殺した瞬間は思わず私も「やったぜバカヤロー!」と叫んでしまった。
『ミスト』におけるイライラの元凶なのかもしれない。こいつはヤベーヨ。
著名弁護士・ノートン
著名弁護士のノートンは、無能すぎてイライラしてしまった。
弁護士のくせに人のいうことを信じられないのか…という感じだ。
あの緊迫した状況で嘘を言うわけがないし、仮に嘘を言ったところでどんなメリットがあるのだろう…。
完全にパニックに陥って平成を失ってしまっている典型例だ。
最終的にノートンは数名の仲間を引き連れて霧の中へ冒険に行ったが、おそらくすぐに殺されたのだろう。
ノートンが店を出るとともに、ショットガンを取りに行ったバイカーも上半身だけ食われたように死んでしまったし…。
ノートンだけが生きているなんてことはないだろう。ノートン、ザマァである。
機械工・ジム
機械工のジム。無能of the kingである。
ノートンはまだこう、理知的な無能だったけれど、こいつの場合はバカすぎてイライラしてしまう感じだった。
そして、ノームが引き摺り込まれた時には言い訳をしていたし…こんなバカもいるんだなぁと言う感じである。
最終的にはカーモディの右腕みたいになってたし…笑。
大衆を先導して、一人の悪人を数十人で痛めつける様子は、まさに現代におけるネットリンチと同じである。気味が悪い。
触手に殺されたノーム
「ビビリが…」とデヴィットに吐き捨てて結局すぐに自分が一番のビビりに転落したバカ。
行きたいなら勝手に行けばいいのに…と思った次第である。
店長・ブラウン
人を見下すことには長けているおバカ。
副店長のオリーには立場が上だというだけでめちゃくちゃ上から物を申して蔑んでくる。
「僕が撃とう」と言ってオリーが銃を持った時も、
「君は撃てるのかい笑ハハハ」みたいにバカにしてやがった。
あの緊迫した状況でよくまぁあんなことが言えるよなぁ…という感じだ。
『ミスト』のヒロイン・アマンダ
ぶっちゃけ、アマンダにもイライラした点がある。
それは、「このスーパーを早めに抜けよう」とデヴィットが提案していたシーンである。
スーパーを早めに抜ける理由の大元は、
「カーモディによる崇拝が広がっていく。そうなった時に生贄を捧げよ!と言って君が選ばれるかもしれない」
というものだった。
そんな時、アマンダはこういう。
「人はみんな善良なものなのよ!それは間違ってるわ!」
と言うのである。なんなんだこいつは。
確かに、人は善良なものだと思う。心から悪人な人なんてほぼいないだろう。
しかし、その善良さが強い結束を結んでしまい、邪魔者を排除する場合もある。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉があるけれど、人間は人数が多い方の意見が正しいと思い込んでしまう側面があるのだ。
アマンダの堅い頭にイライラが募った瞬間である笑。
ラストのシーンは、仕方のないことだったように思う
『ミスト』における最大の争点は、ラストのあの衝撃的なシーンではないだろうか。
車の燃料もそこをつき、外には出られない。
拳銃の弾は4発。車に乗っているのは五人。
早くあの世に行ってしまえば楽だけど、誰か一人だけは苦痛を味わう羽目になる…というシーンだ。
そして、結局デヴィットが残り、怪物たちによる猛襲を待っていると…なんと、軍隊が生存者を救出しているところだった…というラストだ。
もし、みんなを殺すのをあと1分でも待っていたら、全員が助かっていたはず。
でも、個人的にはあのシーンは仕方のないことだったように思う。
あれだけ凄惨で生々しいものを見せられたのでは、「生きていてもしょうがない」と思ってしまうと思う。
最終的に救助が来たのは結果論であり、デヴィットが知る由もない。
ラストのシーンは仕方のないことなのだ…。
鬱である。
『ミスト』を総合評価するなら?
『ミスト』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
全体としてまとまりもいいし、特にダレるシーンもなくスパッとみれた。
でも、やはりイライラするシーンが多数あったので、そこだけ原点で星4という感じだ。
総評としては面白い映画だったように思う。
『ミスト』はどんな人にオススメ?
『ミスト』は、緊迫した状況がずっと続くので、そういう映画が好きな人にはオススメしたい。
『ミスト』はSFホラー映画と謳われているが、どちらかというとSFパニック映画的な側面が強いのかな…という感じである。
なので、パニック映画好きの方にはぜひオススメしたい。楽しめる作品になっている。
終わりに
『ミスト』についてレビューしてきた。
余談だが、『ミスト』の根本にあるのは、狂信的な宗教者への批判なのでは…とおもった。
あれだけ狂信的な人物が出てくる映画も珍しいと思う。
Skyrimというオープンワールドゲームの、「ホワイトラン」という街にも、カーモディのような狂信的な宗教者が教えを説いているけど、まさにあんな感じだなぁと思った。
あ、なんかSkyrimやりたくなってきたわ…。