【ネタバレ感想】『ザ・ギフト (2015年の映画)』は、自分の行いはやがて自分に返ってくるという教訓めいた映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『ザ・ギフト (2015年の映画)』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに今回レビューするのは、表題にもある通り2015年公開の『ザ・ギフト』である。

同名の映画があるので、わかりやすく区別をさせてもらった。

では、さっそくレビューに移ろう。

『ザ・ギフト』ってどんな映画?あらすじは?

『ザ・ギフト』は、2015年(日本では2016年)公開のサスペンス・クライム映画。

監督はジョエル・エドガートン。主演はジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エドガートン。

あらすじとしては、「順風満帆な生活を送っている夫婦のもとに、旦那の高校時代の旧友が現れる。旦那の旧友が現れたことで、夫婦生活に暗雲が立ち込めていく…」という物語である。

サイモンとロビンは、順風満帆な夫婦生活を送っていた。

新しい街に引っ越し、仕事も順調。特に不満もない生活だった。

新居のための家具を購入していると、サイモンの高校時代の旧友、ゴードンとばったり出くわす。

サイモンは最初、知らない人が話しかけてきたかのように思ったが、すぐにゴードンだと気づく。

久しぶりの旧友との出会いに、最初は嬉々としていたサイモンとロビンだったが、ゴードンが何回も自宅前に「ギフト」と称して贈り物をしたり、またロビンだけが自宅にいるときにやってきたりと、ゴードンの不審な行動が目立ってきたことで不安感を抱き始める。

ある日、ゴードン宅にお呼ばれしたサイモンとロビン。ゴードン宅はかなり立派なもので、サイモンとロビンは驚いた。

サイモンとロビン夫婦の他に、あと1組夫婦がお呼ばれしていたが、急用で来れなくなったとゴードンが明かす。

3人でパーティをすることになるが、ゴードンは突然仕事の都合と称して家を数分の間出てしまう。

ゴードンがいない間にゴードン宅を調べ始めたサイモンとロビン。すると、2階の部屋から女性ものの服を発見。

結婚はしていないと言っていたのに女物の服があることがおかしい…と感じた二人。

数分後にゴードンが戻ってきて、「なんの仕事をしてるんだ?」とサイモンが聞く。

すると、ゴードンは自分が置かれている境遇を話し始めるのだった。

『ザ・ギフト (2015年の映画)』は、自分の行いはやがて自分に返ってくるという教訓めいた映画だった

というわけで『ザ・ギフト』を観終わった。

最初の感想としては、

「自分の行いはやがて自分に返ってくるんだなぁ…」

という印象である。

今作は、基本的にはストーカーっぽい…それこそ「クリープ」のような気持ち悪さを感じる映画である。

クリープは犯人が異常者だったわけだが、『ザ・ギフト』のゴードンは特に異常者というわけではない。

ゴードンが異常だったというよりも、正直なところサイモンの方が結果として異常だったわけだ。

と考えるならば、『ザ・ギフト』はまさに教訓めいたような…、

「自分の行いは、やがて自分に返ってくるから注意するべし」

という教えが存分に盛り込まれている作品なんじゃないかなと感じた。

ロビンは、サイモンの異常性に最初から気づいていた?

『ザ・ギフト』の後半で、ロビンは徐々にサイモンの異常性に気づいて、

「私に話すべきことがあるんじゃない?」

と迫っていくようなストーリーへとなっていくわけだが、どうやらロビンは物語が始まった当初から、サイモンの異常性に気づいていたのかも…と私は思っている。

それを証明する鍵としては、ロビンが自宅内にゴードンがいるような気配を感じ続け、精神的に参ってしまう時に、精神安定剤を飲み始めるところに由来する。

精神安定剤をロビンが飲み始めていることを察知したサイモンは、

「俺に話すことがあるんじゃないか?」

とロビンを諭す。

そして、ロビンがきちんと告白すると、

「以前、ちゃんとやめられたじゃないか。なぜまた飲んでしまったんだ?」

と、前々からロビンが精神安定剤を飲んでいることを示唆している。

「転職さ」

と、物語の最序盤で物件探しをしている時に、サイモンが不動産屋の女性に漏らしたところからも、サイモンは職をいくつか変えていることもわかる。

今作の最終盤で、「オフィスを空けろ」と、信頼していた仕事のパートナーからも冷たくされてしまうサイモンには、元から異常性があったのである。

それを感じて、ロビンは精神安定剤を飲み始めた。そして、今作の舞台となる街に移ってきたのをきっかけに、精神安定剤を飲むことから克服できた。

ロビンが精神不安定になってしまった根底にあるのは、サイモンの欺瞞性

順風満帆な夫婦生活だけど、なんだかそこに欺瞞的な感じがする…。何もかもこんなにうまくいくものなの?というサイモンへの疑いが、ロビンを不安定な精神状態へと差し向けたのである。

最後は、ゴードンへのギフト

『ザ・ギフト』では、基本的にゴードンがサイモン夫婦へギフトを贈る…という設定になっている。

が、最後のシーンだけは違う。

最後のシーンだけは、サイモンがゴードンにギフトを与えているのだ。

「与えよ、さすれば与えられん」

という言葉があるが、まさにその通りになっている…というか。

ゴードンは、サイモンに復讐がしたかった。自分が受けた苦しみを、サイモンに少しでも分けたかった。

しかし、サイモンはゴードンをとにかく悪者にしたかった。

ペット犬のジャングルが行方不明になったこと、そして鯉が全滅したこと…。

これらは観客の私たちからすれば、「ゴードンがやったこと」として認識しているが、もしかするとサイモンがやった可能性だってある。

このように、サイモンはゴードンを追っ払おうと、悪者に仕立て上げようとした。

しかし、結果はサイモンの惨敗。

ゴードンが繰り出した、サイモンの深層心理をえぐるような「ギフト」の数々は、サイモンを絶望の奈落へと落とすことに成功する。

成功したゴードンに待っていたのは、

「復讐が完了した」

という、願っても無いギフトだったのである…。

『ザ・ギフト』を総合評価するなら?

『ザ・ギフト』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。

全体として冷たい雰囲気…というか、ちょっと奇妙な空気感があるのがまず良い。

そして、ゴードンがただギフトを贈っているだけなのに、そこに奇妙さが演出されているところもグッド。

サクサクと物語が進んでいくわけではなく、ちょっと個人的にテンポが悪いなぁ…と思ったところもあるが、全体を通して見るならかなり面白い作品に仕上がっているんじゃないかなと思った。

『ザ・ギフト』はどんな人にオススメ?

『ザ・ギフト』は、ちょっと違うパターンのサスペンス映画を観たい人にオススメである。

謎解き要素も少しあるし、人間心理が垣間見れるところも面白い。

普通のサスペンスとは違い、かなり異質なので、人を選ぶところはあるだろう。

終わりに

『ザ・ギフト』についてレビューしてきた。

胸糞映画かな?と思ったけれど、最終的には胸糞じゃなくてよかった笑。

ちなみに、ゴードン役のジョエル・エドガートンは今作の監督も兼任している。

いい意味で気持ち悪さが出ていて、名演技だったんじゃないかなと思っている。