ふぉぐです。
ついさっき、『ザ・サークル』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
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『ザ・サークル』ってどんな映画?あらすじは?
『ザ・サークル』は、2017年公開のSF・スリラー映画。
監督はジェームズ・ポンソルト。主演はエマ・ワトソン、トム・ハンクス。
あらすじとしては、「サークルという会社に入社することになった主人公・メイ。サークルが開発したSeeChangeというシステムに心酔していくメイだが、大事な友人を死亡させる事故が起こってしまう」という物語である。
地方で顧客対応の仕事をしていたメイ・ホランドは、億劫な毎日を過ごしていた。
父親は難病で身体が思うように動かず、母親は父親の看病で忙しい。
自分は特に何も収穫がない仕事をしているだけだったが、ある日友人のアニーから電話が入る。
アニーは、自身が勤めているIT会社での顧客対応の仕事をメイにさせたい…と考え、会社の面接日程を取り付けていた。
最高に嬉しい気分になったメイ。面接ではドギマギしてしまったものの、なんとか合格。
IT会社「サークル」に新入社員として入社することになった。
サークルでは、SeeChangeと言われている独自開発のカメラシステムを主軸にしていた。
そもそも、サークルという会社は顧客データなどを独自分析して最適化し、様々な分野で使えるように統合していくシステムを制作していて、全世界での利用者数が10億人を超える大規模なSNSになっていた。
そのSNSと連携する形で、自らの普遍的な日常を全世界にオープンできるように…と開発されたのがSeeChangeというカメラシステムだった。
小型で球体のカメラは、どこにでも取り付けられて、筐体のバリエーションも豊富でカムフラージュ機能も高い。
メイは、会社内でも初めての「透明化(自らの私生活を24時間オープンにすること)」をすることになる。
しかし、透明化をしてしまったことで、メイの友人であるマーサーが、交通事故に遭ってしまうのだった…。
『ザ・サークル』は、何をしたいのかがイマイチわからない作品だった
というわけで『ザ・サークル』を観終わった。
まず最初の感想としては、
「何をしたいのかイマイチわからないなぁ…」
という印象である。
なんだろう、この映画が伝えたいことはとてもよくわかる。
SNSによって世界中とも繋がれる時代だけど、やっぱりプライバシーって大事だよね…みたいなことを伝えたいのはわかる。
だが、映画内で結局何をどうしたいのかがよくわからないというか…。
どゆこと?と私が個人的に思った点をいくつか並べていこうと思う。
- なぜ、メイはあんなにSeeChangeやサークルに盲信的になったのか
- タイ・ラフィートは表舞台から姿を消したのに、なぜ普通にパーティーにいるのか。そして結局何がしたかったのか
- アニーはなぜあんなに忙しかったのか
- アニーが徐々にメイに疑心暗鬼的になっていくのはなぜなのか
- アニーがスコットランドに行った理由は?
などである。
結局、伏線が残ったままで終わってしまった感じがして、とても消化不良で終わってしまった。
勧善懲悪を大勢でする、不気味さ
『ザ・サークル』はこのように、
「なんだかよくわからん」
という感じで終わってしまう映画なのだが、この映画が伝えたいことはなんとなくわかる。
特に、メイが登壇して世界中の人と連携しながら、脱獄したある殺人犯女性を見つけ出そうとする試みはとても薄気味悪く感じてしまった。
確かに、殺人を犯してしまった女性は悪である。
しかし、それを多くの人がまるで「バラエティ」を見るかのように楽しんでいる姿が、とても気持ち悪いのである。
そしてその「善(悪だと思っていない気持ち悪さ)」の矛先は、メイに向けられる。
メイの友人であるマーサーを、10億人のユーザーとともに探すことになるのだ。
マーサーは、「鹿殺し」と笑われながら、自分がやっていることを「善」だと信じて疑わない群衆たちによって追われてしまう。
そして、正面からやってきた車と事故を起こしてしまい、死亡してしまう。
あまりにショッキングな経験をしたメイは、3日間寝込んでしまう。
自らがつけている腕時計型のSNS端末を見てみると、
「本当に残念だった…」
と、マーサーを悼むコメントが続々と届けられる。
そのコメントさえもなんだか気持ちが悪い。
10億人のサークルユーザーの中には、もちろんマーサーを「かわいそうだ」と思っていた人もいたに違いない。
だが、結局は何もしてあげられず、マーサーは死亡するのである。
ならば、「本当に残念だった」というような薄ら寒いコメントは慎むべきではないだろうか。
同情ほど気持ち悪いものはない。かのニーチェも「同情はするな」なんて言ったように、本当に同情は気持ちが悪い。
インターネットによって便利な世界が構築されているが、『ザ・サークル』のような悲劇を起こしかねないし、現にインターネットによって人生が狂ってしまった人もいる。
「インターネットは使い方によってはとても素晴らしいけど、使い方を誤ってはいけないよ」
というようなメッセージが込められているような、そんな作品だったように思う。
『ザ・サークル』を総合評価するなら?
『ザ・サークル』を総合評価するなら、星5中の星3評価である。
ぶっちゃけ。映画だけの感想でいうなら星2評価である。起承転結がよくわからず、グダグダと続いていくし、主人公の心の変化がわかりにくい。
さらに、伏線もうまく回収されていないので、映画だけの評価でいうなら星2が妥当だろう。
しかし、メッセージ性を鑑みるならば、星1を付け足して星3評価でもいいかな…ということで星3評価とさせてもらおう。
『ザ・サークル』はどんな人にオススメ?
『ザ・サークル』は、SFスリラー映画が好きな人にはいいかもしれない。
また、若干哲学チックでもあるので、考えることが好きな人には是非オススメしたい作品だ。
だが、ストーリー的にはぶっちゃけ、低評価だ。
終わりに
『ザ・サークル』についてレビューしてきた。
余談だが、おそらく「サークル」というのは、リアルでいうところの「グーグル」をモチーフにしてるんじゃないかなと思っている。
サークルとグーグルでなんとなく似てるし、IT企業で世界を席巻しているのも同じである。
なんとなく、世界の行く末を暗示するような…そんな作品だったように思う。