【ネタバレ感想】『男はつらいよ 奮闘篇(第7作)』は、寅さんの過保護っぷりが垣間見れる良作だった

ふぉぐです。

ついさっき、『男はつらいよ 奮闘篇』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。




『男はつらいよ 奮闘篇』ってどんな映画?あらすじは?

『男はつらいよ 奮闘篇』は、1971年公開のコメディ映画。男はつらいよシリーズ第7作目。

監督は山田洋次。主演は渥美清、倍賞千恵子、前田吟。マドンナ役に榊原るみ。第1作目でマドンナ役だった光本幸子もゲスト出演。

あらすじとしては、「京都からやってきた母に「嫁をもらう」とケンカをふっかける寅次郎。ある日、青森から集団就職でやってきた花子という女の子と出会い、恋に落ちるのだった」という物語である。

東北の田舎にいた寅次郎。集団就職で東京へ出発する学生たちを励ましながら、自身も葛飾は柴又へ帰りたくなるのだった。

柴又では、寅次郎の母であるお菊が遠路はるばるやってきていた。

あいにく、寅次郎はとらやにおらず、またいつ帰ってくるかもわからない状況。

さくらは、「もし兄が帰ってきたら、連絡差し上げます」と言い、お菊はその場を後にするのだった。

数分後、いつもの調子で帰ってきた寅次郎。

「お母さんが来てたから、会いに行ってきたら?」ととらや夫婦&さくらに諭されるも、盛大な屁をこいてケンカになるぐらいに行きたくない寅次郎だった。

次の日、さくらの付き添いでお菊が宿泊している帝国ホテルに行く寅次郎。

母親と会うも、不躾な態度をとりお菊から怒られる始末。

「そんなんだから、嫁はんの一つももらえんのや!」

と言われてしまうのだった。

寅次郎はカッとなり、

「嫁ぐらい見つけてやるよ!!」

と言い、その場を後にするのだった。

またテキ屋商売を始めた寅次郎。夜に寂れたラーメン屋で飯を食っていると、どうやら集団就職で東京に出てきたと見える若い女の子がいた。

寅次郎が見つめると、向こうも笑顔で応えてくれる。

その子は、青森からやってきた「花子」という、知恵遅れの女の子だった。

『男はつらいよ 奮闘篇』は、寅さんの過保護っぷりが垣間見れる良作だった

というわけで『男はつらいよ 奮闘篇』を観終わった。

まず最初の感想としては、いつもの寅さん節が炸裂している。

そして寅さんの優しさも垣間見れるのだが、それにしても寅さんの過保護っぷりが面白かった笑。

どこで働かせればいいのかわからない…、という花子を、まずはタコ社長の工場で働かせるわけだけれど、タコ社長が昔遊び人だったという話を聞いて、工場で働かせてほんの1分ぐらいで辞めさせる。

その後、帝釈天の御前様のもとでおみくじ販売として働かせようとするも、帝釈天の門柱に「スケベ」と書いてあるのを見て、御前様のもともものの30秒ぐらいで辞めさせるのだった。

そして最後。とらやの店員として働かせるも、客が花子に、

「どこ出身なの?」

と聞くや否や、すぐに客とケンカしてしまうのだった。

寅さんの過保護っぷりはなかなかに面白い笑。

なんかもう、思い焦ぐというよりは完全に番人とか用心棒みたいな感じである。

好きな女の子に一途になりすぎる寅さんが滑稽でもあり、そこにまた愛の美しさを感じるところだった。

寅さんの悲しみと絶望

『男はつらいよ 奮闘篇』では、なかなかに胸を打つシーンがある。

それは、青森からやってきた福士先生が花子を連れ帰り、それを知った寅次郎が家を出て行き…。

かと思えば、ある日手紙がきて、

「兄ちゃんはもう、用のない人間になってしまった。さようなら」

という意味深な内容が書いてあったことである。

思わず「自殺するんじゃないか」と心配したさくらは、すぐに青森へ出発。

福士先生と花子が働いている学校を訪ね、その後帰路につこうとしたところで、偶然寅さんと遭遇する。

寅さんはすでにケロッとしていたが、あの寅さんがあれだけの内容の手紙を書くのはなかなかに辛い現実があったからである。

私もたまに、寅さんがあの手紙を書いたような心境になることがある。

「俺は用のない人間だ」

と。

「男はつらいよ」とは、惚れた女と付き合えないことでもあり、結婚できないことでもある。

第1話で出てきた冬子が幸せそうにしていたのも、寅さんからすれば哀しい出来事な訳である。

『男はつらいよ 奮闘篇』は、寅さんが嬉しさと悲しさの間に揺れ動きすぎてて、見ているこっちまで情が映ってしまうのだった。

『男はつらいよ 奮闘篇』は、現代ではなかなか難しい映画である

『男はつらいよ 奮闘篇』は、ぶっちゃけ現代ではなかなか放送するのが難しい映画である…笑。

というのも、今回のマドンナ「花子」が、いわば知恵遅れの女性というのが大きい。

いや、別に知恵遅れだからどうってことではないのだけれど、それに伴った当時の言い方などが明らかに現代では放送コードに引っかかる。

これまでも、男はつらいよでは「こじき」や「キチガイ」などの現代では放送禁止用語として扱われている言葉がたくさん出てくるが、今作ではより生々しく放送禁止用語がたくさん出てくる。

別に、さくらや寅さんが差別意識を持って花子をそう呼んでいるわけではないはずである。こと寅さんに限っては、花子を嫁にまでもらおうと思っていたぐらいだ。差別の意識なんてどこにもない。

だが、やはり言葉というのは一人歩きし、生きているかのように我々の心を貫く。

私は特段不快になるようなことはなかったが、人によっては不快に感じることもあるだろう。

『男はつらいよ 奮闘篇』は、時代を感じる映画と言っても過言ではないのだ。

『男はつらいよ 奮闘篇』を総合評価するなら?

『男はつらいよ 奮闘篇』を総合評価するなら、星5中の星5評価である。

個人的には満点の出来だと感じた。

寅さんの江戸弁、そして粗暴さ。

しかしそこに愛がある…。儚い寅さんの恋愛は、いつも実らず終わってしまう。

全体として軽やかに流れていき、テンポが良くダレるところもほとんどない。

寅さんが珍しく自殺をほのめかすような手紙を送ってくるあたりも、相当花子に入れ込んでいたんだな…というのがわかる。

放送禁止用語はバンバン飛び出てくるが、そうは言っても面白さに変わりはない。

個人的には5点満点のできである。

『男はつらいよ 奮闘篇』はどんな人にオススメ?

『男はつらいよ 奮闘篇』は、放送禁止用語がバンバン飛び交うのが苦手な人にはオススメできない。

逆に、放送禁止用語に対して私のようにさほど拒否反応がない人なら、普通に面白い作品なのでぜひ見てみてほしいところである。

終わりに

『男はつらいよ 奮闘篇』についてレビューしてきた。

余談だが、そういえば今作はノボルが出てこなかったし、源ちゃんもさほど登場シーンがなかった。

なんだかちょっと寂しい感じがするなぁ…と思ったら、なるほどその2人が出ていないからだったのかもしれない。

私は源ちゃんが結構お気に入りなので、出てこないとちょっと寂しい気持ちになってしまうのである。

結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻のまわりはクソだらけってな!!