ふぉぐです。
ついさっき、『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
Contents
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』ってどんな映画?あらすじは?
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、2012年公開のアニメーション映画。
監督は宇田鋼之介。
あらすじとしては、「かつては村だった巨大なダムにきたゆうた。森を歩いていると、みょうちくりんなおじいさんと出会い、そのことがきっかけでゆうたは1970年代へとタイムスリップする。」という物語である。
ゆうたは、父親を事故で亡くし、母親と暮らす小学6年生の男の子。
ある夏の日。ゆうたは、かつて父親が「ホタルがいたぞ!」と言っていた村へとやってきた。しかしその村はとうの昔にダムとなってしまっていて、村はもう跡形もない。
猛暑の中、アイスとスポーツドリンクを買ったゆうたは、とりあえずトボトボと歩いていく。
すると、木陰のようなところでぐったりしているみょうちくりんな老人を発見する。
恐る恐る近づいてみると、老人はいきなり動き出し、「飲み物を分けてくれると助かる」とゆうたにお願いをする。
ゆうたがスポーツドリンクを差し出すと、ガブガブと飲み始める老人。
飲み終わると、「もうすぐ、雨が降って嵐になる。ボウも早めに帰るんじゃぞ」と言い残し、さっとどこかへ行ってしまう。
空は、明らかに晴天で、雨なんて降るそぶりさえない。
老人のいうことをとりあえず無視してダムの脇で休憩していると、急に雨が降ってくる。
土砂降りなっていく天気の中、ゆうたは急いで雨宿りできる場所を探すも、道は雨のせいで洪水になっていた。
猛烈な勢いで流れる水を渡ろうとしたゆうただったが、水に足を取られて山の下へと落ちて行ってしまう。
すると、急にあたりが暗くなって、さっきあった老人が出てくる。
ゆうたが気がつくと、さっきまでダムだった場所に村がある。
ゆうたは、なんと1970年代へとタイムスリップしてしまっていた。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、全体的に中途半端なノスタルジック映画だった
というわけで『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』を観終わった。
まず最初の感想としては、
「全体的に中途半端なノスタルジック映画だなぁ…」
という感じだろうか…。
うーん、賛否両論あるだろうし、『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』を「面白い映画だ!」と思う人の気持ちを踏みにじるようなことは言いたくない。
しかし、個人的にはちょっと…決して賞賛に値するような映画ではないなと思った。
むしろ、ちょっと…うーん、どちらかといえば駄作寄りだろうか…。
正直なところ、風景は素晴らしい。
風景だけは満点をつけるに値するぐらい精巧で緻密に表現していると思う。風景は最高だ。
しかし、その他の点に関していえば…。
ぶっちゃけ、微妙。むしろ評価としてはかなり低いレベルである…。
なぜそう思うのかを、次の章からみていこうと思う。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、ストーリーがまず微妙
まず最初に、『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』はストーリーが微妙すぎる。
いや、大まかな設定としては面白そうなのは認めよう。
「現代の小学生が、1970年代にタイムスリップし、当時の夏を過ごす」
という、まさにノスタルジック感満載のストーリーだ。
しかし、細かい点が微妙すぎて、せっかくの良いストーリーが台無しになっているのである。
以下の点が個人的には気になった。
- ゆうたが濁流に飲まれて森の下へと落ちて行ったけれど、あの後はどうなったのだろうか
- 濁流に飲まれた時に携帯電話を落としていたけれど、結局回収されてない
- あのみょうちくりんな老人は、結局何者?
- サエちゃんは、なぜ大人になったときに目が見えなくなっていたのだろうか
出そうと思えばまだまだ出せるのだが、まぁひとまずこの辺で…。
ストーリーという意味では、最後のシーンも個人的にはNGだ。
まるで夢物語。いや、もちろん『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』の設定自体が現実離れしすぎているので、
「何をラストシーンぐらいで夢物語と言ってるんだ」
とお叱りを受けるのも致し方ない。
だが、あまりに御都合主義やしないだろうか。
私はあまり比較をするのは好きではないのだが、それこそ「君の名は」のラストぐらいの…そんな演出でもよかった気がする。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、キャラクター作画が微妙
ストーリーに続いて微妙なのが、作画である。
とはいえ、作画全般ではなく、あくまでキャラクター作画である。
前述のように、風景に関しては文句がない。
キャラクター作画が個人的に微妙すぎて、首をひねってしまうところもあった。
特に「ひどいなこれ…」と思ったのが、青色テングとゆうたが神社の縁側で話しているところのシーン。
そして、サエちゃんとゆうたが手を繋いで祭りの中を走って行くシーンである。
この2つはちょっとひどいな…と思ってしまった。
アーティスティックにしようとしすぎた結果、観客に伝わらなさすぎなのでは…みたいな。そんな印象を持ってしまった次第である。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、キャラクターの反応が微妙
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、キャラクターの作画うんぬんの話もあるのだが、そもそもキャラクターの反応や相槌などが微妙である。
特にゆうたはひどく、
「え…あ…え?え…あ…」
という…冗長すぎる反応の繰り返しだった。
おそらく、演出として自然な様相を出そうとしたのだろうが、それがかえって不自然さを際立たせるスパイスになってしまっている。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』を総合評価するなら?
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』を総合評価するなら、星5中の星2評価である。
すんません、個人的には低評価な映画。
ぶっちゃけ、これでもし風景まで微妙だったら、星1評価だったところだが、風景は素晴らしいなと思ったので星2評価とさせていただいた。
途中でダレてしまうシーンがあったり、青色テングが個人的に嫌いだったり…。
絵柄も独自性を出しすぎた結果、ちょっと…微妙だったし…。
総合評価としては、星2である。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』はどんな人にオススメ?
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』は、ノスタルジックを感じられる40代以上の方々に見てもらいたいところだ。
この映画は、明らかに子ども向けではない。
田んぼがあって、セミがみんみん鳴いてて…神社で遊んで、カブトムシをとって…。
そんな、古き良き日本を知っている世代が見るべき作品なのだと思う。
終わりに
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』についてレビューしてきた。
こんなことを最後にいうのもなんだけれど、『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』を最後まで見て唖然としてしまった。
「なんじゃこりゃ…」と思ってしまう出来だった…。
『虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜』のレビューを見てみると、「ジブリと似ている」という旨の物を見かける。
女の子がジブリに出てくるヒロインみたいで可愛いと。
この意見には、個人的には異を唱えたい。
ジブリに出てくるほぼ全ての女の子は、強烈に自我が強いプリンセス系女子である。その強い自我の中に、優しさがある…。それがジブリに出てくる女の子だ。もちろん中には例外もいるけれど。
決してサエちゃんのようなタイプの女の子ではない。
これだけは言わせてほしい…。