【ネタバレ感想】『万引き家族』は、常識的ではない「優しい映画」だった

『万引き家族』は、常識的ではない「優しい映画」だった

ふぉぐです。

ついさっき、『万引き家族』をみたので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだみていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『万引き家族』ってどんな映画?あらすじは?

『万引き家族』は、2018年公開のヒューマンドラマ映画。

監督は是枝裕和。主演はリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、佐々木みゆ、城桧吏。

あらすじとしては、「仲良く暮らすとある一家の元に、新しく小さな女の子が家族としてやってくる」という物語である。

東京の下町で暮らすとある一家は、それぞれが普通に働きながらも、万引きなどをしたりなどをして生計を立てていた。

一家は下町のボロ小屋で暮らしていたが、笑いのある生活を送っていた。

そんなある日、一家の大黒柱である治、そして子どもの祥太が万引きをした帰り道、あるアパートのベランダに小さな女の子がいるのを発見する。

治は、なんとなく見過ごしておけず、外は寒いだろうと思ったため、いったんその女の子を保護することに決める。

家に帰って一緒に夕食を食べたあと、またその子の家に戻そうとすると、部屋から子どものことで言い争っている両親の声が聞こえてきた。

流石にこの状態で女の子を返すわけにもいかず、治と嫁の信代は女の子を自宅へと連れ帰り、「りん」という名前で可愛がる。

りんを誰にも言わずに保護することは誘拐なのでは…と思ったが、「別に身代金を要求しているわけでもない」として、誘拐ではなく保護の領域だとする見解で、りんを家に置いておくことにした。

しかし、りんを保護して数ヶ月がたった頃、たまたまニュースを見ていたら、なんとりんが行方不明で捜索願を出されていた。

『万引き家族』は、常識的ではない「優しい映画」だった

というわけで『万引き家族』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「常識的ではない『優しい映画だなぁ』」

という感じである。

この映画、とにかく…全体として「犯罪の温床」となっている。

万引きはとにかくしまくるし、小さな女の子を勝手に連れ帰っちゃダメだし…。

おばあちゃんが死んでも、やはり「ヤバい関係性」だったことで、いわゆる死体遺棄として警察からは判断されそうになってるし…。

全体的にヤバめな印象が強い『万引き家族』だが、それは世間の常識的な考え方なのだ。

確かに万引きはいけないことだし、人が死んだらちゃんと警察や救急車を呼ぶべきである。

しかし、りんや祥太、そして亜紀(性風俗店で働いていた女性)が不幸だったか…と言われるとそうではない。

映画の終盤で、「子どもには母親が必要なの」という取調室でのセリフがあるが、その母親にネグレクトを受けていたりんは幸せなのだろうか。

ネグレクトをする母親でも、子どもには必要なのだろうか。

母親ではなくても、父親でも…暴力を振るうような親はその子にとっての幸せとなるのだろうか。

「常識的ではない優しさ」が垣間見えて、そういう狭間の世界で生きる人々にとっての救いとなるような映画なのでは…と感じた。

『万引き家族』の良い点

『万引き家族』の良い点はこの映画のタイトルに集約されているだろう。

最終的に、この家族は誰の了承も取らない形で形成された家族だった(店的に言うなれば、お会計を済ませずに商品を持って行ってしまう、まさに万引き的な状態だ)。

りんを誰の了承も得ずにもってきてしまうし、祥太だっておそらくそうなのだろう。

しかし、もしかするとその関係性の方が、誰かにとっては救いとなるのかもしれない。

そんな映画だった。

『万引き家族』の悪い点

『万引き家族』の悪い点は、若干不潔感を感じる点だろうか。

もちろんあの雰囲気が『万引き家族』の味をより深めていると言えるのだが、やはり全体的に不潔な雰囲気が漂っているところだけが私的には許容できない点だった。

『万引き家族』を総合評価するなら?

『万引き家族』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。

全体的には高評価。

普通に面白いし、リズム感もいい。

メッセージ性も良かったので、確かにこれは高評価されてもおかしくない映画だな…という印象。

『万引き家族』はどんな人にオススメ?

『万引き家族』は、常識が嫌いな人におすすめしておこう。

終わりに

『万引き家族』についてレビューしてきた。

特に言いたいこともないのでこの辺で終わろう。