ふぉぐです。
ついさっき、『ラッキー』をみたので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだみていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
Contents
『ラッキー』ってどんな映画?あらすじは?
『ラッキー』は、2017年(日本では2018年)公開のヒューマンドラマ映画。
監督はジョン・キャロル・リンチ。主演はハリー・ディーン・スタントン。
あらすじとしては、「90歳を迎える老人が、死について向き合っていく」という物語である。
ラッキーという愛称で親しまれている老人は、90歳を迎えた。
ラッキーは、毎日のルーティンをやりつつ、いつものようにレストランへいき、いつものようにオーナーと憎まれ口を叩きながらも仲良く過ごしたりしていた。
そんなある日、ラッキーはめまいを起こして倒れてしまう。
医者に行くと、「特に異常はない。加齢だ」と診断を受け、特に薬などを処方されないまま帰されてしまう。
ラッキーは、自分の前に死が訪れ始めていることを予感していたが、そんな中で友人のハワードが、弁護士とともに終活の相談をしているところを目撃する。
『ラッキー』は、哲学的なことを考えさせてくれる良作ヒューマンドラマ映画だった
というわけで『ラッキー』を観終わった。
まず最初の感想としては、
「哲学的なことを考えさせてくれる良作ヒューマンドラマ映画だなぁ」
という感じである。
全体的に、ストーリー的には平坦。
山あり谷ありのアクション映画とは全く真逆の、まさに「老人的」なストーリーである。
凪のように波風が立たないストーリー展開に、うんざりする人がいるのもうなづける。
しかし、個人的に『ラッキー』は面白い映画だなと感じた。
私的にとても興味深かったシーンが、ラッキーがめまいを起こして医者に行くシーンである。
おそらく、ラッキー的には「何か病気のせいでめまいを起こしたから、その病気の原因さえわかれば大丈夫だろう」というような、「まだまだ生きられる」という希望を持っていたはずだ。
しかし、医者のところへ行ってラッキーは仰天する。
めまいに病気的な原因はなく、あるとすれば加齢だという。
病気ならば、薬を処方してくれさえすれば安心できる。
だが、加齢に関しては処方箋なんてない。加齢は人間の摂理であり、最終的に『ラッキー』の主題として設定されている「死」へのストロークだからである。
絶望するラッキーのもとにやってきた、レストラン店員の女性に、「怖いんだ」と漏らすラッキーにリアリティを感じる。
太平洋戦争のことや13歳のことを思い出すラッキーも、90歳に到達してしまったのだから。
『ラッキー』の良い点
『ラッキー』の良い点は、私はストーリーの平坦性にあるように思う。
前述のように、『ラッキー』はアクション映画やサスペンス映画のように山あり谷ありでワット驚くようなギミックがあるわけでもない、ただの老人ストーリーに過ぎない。
しかし、その平坦さが逆にリアリティを感じさせる。
毎日のルーティンをして、毎日同じことをして、毎日同じ人に会い、たまに病院など普段は行かないようなところへいく。
人生はアクション映画やサスペンス映画のように毎度毎度展開されていくわけでもなく、現実は『ラッキー』のように、平凡な事柄が続いていくようなものだ。
そのリアリティさを楽しめるか楽しめないかで、『ラッキー』の評価は変わってくるだろう。
『ラッキー』の悪い点
『ラッキー』の悪い点は、やはり良くも悪くもストーリー性がないところだろうか。
個人的にはストーリー性がないところが良さだと思っているが、つまらない人にはつまらないと感じる映画だろう。
『ラッキー』を総合評価するなら?
『ラッキー』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
良作映画だと言える。
名作映画とまでは言わないまでも、見る人が見るとかなり考えさせられる映画になっているだおる。
1時間30分弱という上映時間も相まって、サクッと見られる点も加点しておきたいところだ。
『ラッキー』はどんな人にオススメ?
『ラッキー』は、考えさせられるヒューマンドラマ映画がみたい人におすすめしておこう。
終わりに
『ラッキー』についてレビューしてきた。
余談だが、今作で主演を務める「ハリー・ディーン・スタントン」は、今作がアメリカで上映された「2017年」に亡くなっている。
おそらく、映画がクランクアップして、もう少しで上映…というところで惜しくも亡くなられたようだ。
今作ではラッキーが「太平洋戦争で…」ということを言っているが、ハリー・ディーン・スタントン自身もどうやら太平洋戦争で沖縄戦へ参加したりしていたらしい。
なので、おそらく今作はハリー自身の話も含まれているのでは…と感じた。
今作はハリーの遺作になったわけだが、ハリー自身は長い俳優人生で「名脇役」として知られた存在だったようだ。
そんなハリーが最後の作品で主役を演じたのは、何かの運命だったのかもしれない。
興味深く、切ない映画である。