クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国は、風刺が効いた作品だった

ふぉぐです。

ついさっき、「クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国」を観終わったので、早速レビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレもりもりでレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を

では、早速レビューに移ろう。

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国はどんな映画?あらすじは?

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国は、2009年に公開されたアニメーション映画。

監督はしぎのあきら。

あらすじとしては、「日本を動物王国にすることを目論む団体を阻止する」というストーリーになっている。

春日部市双葉町に、「四膳守(しぜん・まもる)」という町長が新たに就任することになった。

四膳は、環境保全を進める環境活動家でもあるため、双葉町でのエコロジー活動を徹底的に推し進めていった。

そんなある日、四膳は双葉幼稚園に頼み、「近所のゴミ拾い」を園児たちと行う。

そのゴミ拾い中、しんのすけは謎のアタッシュケースを発見。中には緑色の液体が入った小さい瓶が入っていた。

しんのすけはその液体を家に持って帰り、冷蔵庫で冷やしていると、風呂上がりのヒロシがそれを飲んでしまう。

「私にも一口ちょうだい」と、みさえも飲んでしまった。

次の日、徐々に動物化が始まるひろしとみさえ。

すると、野原家に怪しい人たちが乗り込んできて…?

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国は、風刺が効いた作品だった

今作「クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国」は、かなり風刺の効いた作品だったように思う。

環境保全的な風刺が強いというよりは、行き過ぎた環境保全への風刺…という感じの。

前作、「金矛の勇者」でも社会的な風刺があったのだが、今作でも風刺的な一面が強い。

一見すると、まさに地球破壊を阻止するための防衛策として「人類を動物にしてしまう」という良さげな案に思えるのだが、最後のシーンで「よしこ(ビクトリア)」が動物になる液体を飲もうとすると、四膳はそれを止めた。

地球破壊を阻止するために人間を動物にする…という行為が行き過ぎたものだというのは、実は四膳もわかっていた…ということになるのだろう。

ぶっちゃけると、そんなに面白くはない

ほんとマジですんませんなんですけど、「クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国」は、ぶっちゃけそんなに面白くない…と私は思ってしまった。

前作である金矛の勇者よりは面白いのだけれど、手放しで「面白かった!」と言えるほどの作品ではないように思ってしまった。

というのも、全体的にもっさりした演出が多いのが理由ではないだろうか。

野原一家とカスカベ防衛隊が、車に乗って敵から逃げるシーンなども、若干スピーディーさにかける気がする。

さらに、ひろしがニワトリになってからのギャグシーンも、なんだかサムい感じのギャグが多過ぎて、観ていて「ちょっとな…」と思ってしまった。

また、映画後半で地下からキマイラの巨大な銅像が出てくるわけだが、なぜあれを出したのかもよくわからない。

四膳がキマイラに変身したから…という理由があるものの、ちょっと納得のいかない部分である。

全体的にぼんやりした印象で、あまり記憶に残るような作品ではないように感じた。

主要キャラの動物化は可愛い

ここまでかなりの酷評ざんまいではあるが、もちろん良い箇所もある。

それは、主要キャラの動物化が可愛かった点だ。

特に可愛いのう…と思ったのは、ネネちゃんのうさぎである。

普段からうさぎの人形をぶん殴っているネネちゃんに相反して、うさぎに変したネネちゃんは普通に可愛い。

さらに、ニワトリverのひろしも良い味を出していた。

目が点になって「クルックゥ」とクチバシを突き出すひろしは、めちゃくちゃ様になっていた。

また、これは余談ではあるが…。

野原家の動物化は、野原家のそれぞれが持つ権力が高い順になっていたように思う。

ひまわり>みさえ>しんのすけ>ひろし

つまり、ひまわりが野原家では絶大な権力を持っていたから白熊(グリズリーかも?)になっていたし、ひまわりの次に野原家を牛耳るのがみさえだったから豹に豹変した(豹だけに)。

こう考えていくと、

「ひろし…可愛そすぎるやろ…」

と、哀愁を漂わせる感じがしたのである。そこもまた、主要キャラが動物化することの良さだったのかもしれない。

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国を総合評価するなら?

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国を総合評価するなら、星5中の星3評価である。

「めちゃくちゃつまらない」というわけではないけれど、「面白い!」と言えるほどでもない。

ちょっと中途半端感が強い作品である。

ぶっちゃけると、ストーリー・演出ともに…そこまで評価は高くない。

ただ、主要キャラの動物化が可愛かったので、星3評価とした。

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国はどんな人にオススメ?

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国は、子どもたちにオススメの作品である。

子どもたちが見る分にはわかりやすいストーリーになっているし、適度にギャグも挟まっているので素晴らしい作品だろう。

私のように、偏った大人が観てしまうと「ストーリーが…」とか「演出が…」と、めんどくさい評価をしてしまうので注意が必要である。

ただ、大人が見てもつまらないわけではないので、観てみると良いかもしれない。

終わりに

クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国についてレビューしてきた。

子どもたちに「環境を保全しないと」という感覚を知ってもらうためには、ちょうど良い作品だったように感じる。

ぜひ、あなたも動物王国に入国してみてはいかがだろうか。