【ネタバレ感想】『インビクタス/負けざる者たち』は、モーガン・フリーマンがハマり役の感動映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『インビクタス/負けざる者たち』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『インビクタス/負けざる者たち』ってどんな映画?あらすじは?

『インビクタス/負けざる者たち』は、2009年公開のヒューマンドラマ映画。

監督はクリント・イーストウッド。主演はモーガン・フリーマン、マット・デイモン。

あらすじとしては、「1994年にネルソン・マンデラが大統領に就任。1994年にマンデラは、1995年に開催されるラグビーW杯で南アフリカチームであるスプリングボクスが優勝するよう期待をかける」という物語である。

1994年。ネルソン・マンデラは国家反逆罪で終身刑を受けて服役していたが、1990年釈放され、1994年に大統領へと就任する。

マンデラが初登庁した日。それまでの大統領の元で働いていた職員たち、特に白人の職員たちは荷物整理をしていた。

白人の職員たちは、マンデラが自分達に報復的な意味でクビにしようとするだろう…と考えていた。

しかし、マンデラは大統領の部屋に職員全員を集め、「辞めたいものは辞めてもらって構わない。それは自由だ。しかし、もし残るのだとしたら、私に協力してほしい」と、報復的な人事はしなかった。

そのおかげか、大統領の護衛たちも、黒人と白人の混成ができるなど、南アフリカは徐々に変化を見せるのだった。

1994年。ラグビーW杯まであと1年となったころ、南アフリカのチーム、「スプリングボクス」は、毎度毎度試合に負ける弱小チームだった。

また、ラグビー自体が当時は「アパルトヘイト」の象徴として南アフリカでは見なされていて、またスプリングボクスの名前やユニフォーム自体もアパルトヘイト的だということで変更する意見が強かった。

しかし、マンデラは「スプリングボクス」が黒人と白人の和平につながる…と思い、名前もそのまま、ユニフォームもそのままにしよう!と提案する。

賛同するものは少なかったが、なんとかスプリングボクスは名前もユニフォーム変更することなく存続できることになった。

マンデラは、大統領として、スプリングボクスのリーダーであるフランソワを茶会に招く。

そして、フランソワにリーダーとして何をしているのか…を問い、フランソワをラグビーW杯で優勝するよう激励するのだった。

初めは大統領からの直々の激励に縮こまるフランソワだったが、徐々にリーダーとしてチームを引っ張っていく決意をする。

『インビクタス/負けざる者たち』は、モーガン・フリーマンがハマり役の感動映画だった

というわけで『インビクタス/負けざる者たち』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「モーガン・フリーマンめっちゃハマり役じゃん!」

ということだろうか。

すごく、良い。なんか本物のネルソン・マンデラのように威厳があった。

映画としての出来もとてもよく、心地よいリズム感というか…。

とにかく、ストレスの少ない場面切り替えやカメラワークだったのも好印象である。

全体としてクオリティが高く、さくっと観れるけど胸にくるものがある映画だったように思う。

マット・デイモンの演技が個人的に素晴らしいと思う

『インビクタス/負けざる者たち』で良いなぁと思ったのが、フランソワ役のマッド・デイモンの演技である。

1994年…ということは、まだこう…人種差別的な香りが残っている時期なのだと思う。

現に、フランソワの父?も、ちょっと黒人を見下しているようなシーンがある。

国としては人種差別はなくなったが、まだ人々の心には人種差別的なところがあった時代なのではないだろうか。

フランソワも、マンデラと対面するときなどは、ちょっと表情に陰りが見える。

「大統領」ということで緊張している面持ち…という側面もあるのだとは思うが、ちょっとぎこちない雰囲気が漂う。

その、微妙な雰囲気・表情の演技が素晴らしいなぁと思った。

実際にフランソワがマンデラに対してどう思っていたかは定かではない。

しかし、国の情勢などを考えた結果のあの表情なのだとしたら、マット・デイモンの演技力に感服せざるを得ない。

許すことは最強の武器

『インビクタス/負けざる者たち』を観ていてグサッときた名言がある。

それは、

「許すことは最強の武器なのだよ」

という言葉である。最高すぎる。

ネルソン・マンデラは、終身刑を言い渡されて30年ほど刑務所に服役していた。

普通に考えると、マンデラは白人に恨みを持っていてもおかしくない。

しかし、マンデラは全てを許す。

おそらく、もしこれで白人を迫害してしまったら、自分もまた、自分を迫害した白人達と同じになってしまう…と考えたからではないだろうか。

実際に、護衛の黒人たちも、白人と混成チームを組まされることを最初は嫌がっていた。

だが、マンデラの言葉に触発されたのか、彼らは徐々にチームとして動いていくことになる。

許すことは最強の武器なのである。

『インビクタス/負けざる者たち』を総合評価するなら?

『インビクタス/負けざる者たち』を装具評価するなら、星5中の星4評価である。

素晴らしい映画である。ネルソン・マンデラの人となりもよくわかるし、フランソワがチームを優勝に導いていくのも圧巻である。

全体としては面白いのだが、個人的に気になった点を一つだけ。

ラグビーの試合…、特に、優勝を決める試合のシーンで、相手チームに強い選手がいる…と話をしていたが、その選手がどれだけすごいのか…を描ききれていなかったように思う。

そのため、優勝したこと自体は素晴らしいのだけれど、どれだけスゴイのか…が伝わりにくかったかなとも思う。

そこだけを減点して、星4評価である。

『インビクタス/負けざる者たち』はどんな人にオススメ?

『インビクタス/負けざる者たち』は、ラグビーファンはもちろん、感動映画を欲している人にオススメしたい。

泣けるタイプの映画ではないが、胸を打つ映画ではある。

とても感動するので、ぜひ一度は見ていただきたい。

終わりに

『インビクタス/負けざる者たち』についてレビューしてきた。

余談だが、ネルソン・マンデラ氏は2013年にお亡くなりになっている。

実に95歳での没である。

ウィキペディアによると、2008年までテロリストの監視リストに名前があったらしい。2008年にやっと削除されたようだ。

素晴らしい大統領だけれど、これだけの大きなことを成すには、かなりのリスクもあったのだなぁ…と思う。

そういう意味でも、人気が根強いのもうなづけるし、尊敬に値する人なのだと感じた。