【ネタバレ感想】『生きてるだけで、愛。』は、重く切ないヒューマンドラマ映画だった

ふぉぐです。

ついさっき、『生きてるだけで、愛。』をみたので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだみていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『生きてるだけで、愛。』ってどんな映画?あらすじは?

『生きてるだけで、愛。』は、2018年公開のヒューマンドラマ映画。

監督は関根光才。主演は趣里、菅田将暉。

あらすじとしては、「躁鬱病で過眠をしてしまう寧子は、ゴシップ誌でライターをしている津奈木のもとで暮らしている。しかし、あるとき津奈木の元カノが現れる」という物語である。

躁鬱病に悩まされ、彼氏である津奈木の家に転がり込んで面倒を見てもらっている寧子。

自分のことにあまり関心を持っていない津奈木に対して、躁鬱病の症状も相まってイライラが募っていた。

ある時、寧子は仕事を頑張る津奈木のためにご飯を作ってあげようと思い、津奈木の要望でハンバーグを作ることにした。

材料を揃えるためにスーパーに行くも、ひき肉が品切れだったり卵を落としてしまったり散々な目に遭ってしまう。

その様子を、津奈木の元カノである安堂が見ていた。

安堂は、津奈木と寧子が住んでいるアパートを見つけ、寧子をカフェに連れ出し、「津奈木と別れろ」と言い出す。

働いていない寧子に対して怒りが募る安堂は、そのカフェが知り合いのお店だったらしく、寧子が「がんばって働きます」と言った途端に、「このお店で働けば?」と言い出し、寧子は流されるままそのカフェで働くことになった。

カフェの人たちはとても良い人たちだったが、寧子はちょっとしたことで、周りの人と自分との違いを敏感に感じとるのだった。

『生きてるだけで、愛。』は、重く切ないヒューマンドラマ映画だった

というわけで『生きてるだけで、愛。』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「重く切ないヒューマンドラマだなぁ…」

という感じである。

全体として、重い。

色合いも暗く、『生きてるだけで、愛。』という映画の全体像がとてもアンダーグラウンドな響きを感じる。

そして、扱っているテーマも重い。

躁鬱病…いわゆる双極性障害という、ハイになる状態とローになる状態が早い頻度で訪れてしまい、心の安定がなかなか取れない苦しいパーソナリティ障害である。

『生きてるだけで、愛。』はただの恋愛映画ではなく、双極性障害にクローズアップされまくった映画であるため、刺さる人にはかなり刺さる映画になっていると思う。

かくいう私は双極性障害ではないので、『生きてるだけで、愛。』における主人公・寧子の心の声を正確に感じとることはできない。

しかし、菅田将暉演じる津奈木がそれを補ってくれている。

寧子が双極性障害の方に向けた役なら、津奈木は双極性障害の方と向き合う方向けの役なのではないだろうか。

とても重く苦しい映画だなと感じた。

『生きてるだけで、愛。』の良い点

『生きてるだけで、愛。』の良い点は、なんと言っても主演女優・趣里の演技力にあるだろうと思う。

これは…すごい。

私はおそらく、今作のような双極性障害を持つ方と接したことはこれまでの人生でほぼない。

しかし、本当にそこにいるかのような…そんな存在感を放つ演技だったのである。

リアリティにあふれていて、ちょっと怖ささえ感じる趣里の演技に感服である。

『生きてるだけで、愛。』の悪い点

『生きてるだけで、愛。』の悪い点は、…これは良くも悪くもなところではあるのだが、全体として暗いところだろうか。

もちろん、『生きてるだけで、愛。』という映画のテーマを扱うなら、これぐらい暗いぐらいがちょうど良い。

しかし、私としては…観賞後のこの、心の中にこびりつくような苦しさがちょっと不快でもある。

『生きてるだけで、愛。』の良いところでもあり、悪いところでもあるだろう。

『生きてるだけで、愛。』を総合評価するなら?

『生きてるだけで、愛。』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。

全体としては好印象。

当事者的な方が見れば、『生きてるだけで、愛。』の良さはわかるのだろうと思う。

私も客観的な、俯瞰的な視点で『生きてるだけで、愛。』を見ていたのだが、それでもとてもテーマ性のある映画に感じた。

日本のヒューマンドラマ系映画は、暗めでいくと決めたらとことん暗めでいくので、洋画的なポップさを感じないのがたまにキズではある。

だが、『生きてるだけで、愛。』は、一つの日本映画として完成された映画だと思う。

『生きてるだけで、愛。』はどんな人にオススメ?

『生きてるだけで、愛。』は、ぜひ双極性障害を持つ方におすすめしておきたい。

とても悲しく、それでいて重く苦しい作品になっている。

人の優しさに応えられない自分の力のなさを嘆く寧子がなんともリアルである。

終わりに

『生きてるだけで、愛。』についてレビューしてきた。

余談だが、『生きてるだけで、愛。』は小説の映画化らしい。

暇があればぜひ読んでみようと思う。