ふぉぐです。
ついさっき、『17歳のカルテ』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
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『17歳のカルテ』ってどんな映画?あらすじは?
『17歳のカルテ』は、1999年公開のヒューマンドラマ映画。主人公の「スザンナ・ケイセン」の自伝「思春期病棟の少女たち」が原作。
監督はジェームズ・マンゴールド。主演はウェノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー。
あらすじとしては、「自殺未遂を起こしたスザンナは、精神病棟に入ることになる。そこで知り合ったリサという少女と徐々に仲良くなっていくが、徐々に精神病棟が嫌になっていき…」という物語である。
スザンナは、自殺未遂を引き起こした。薬物の大量摂取によるものだったが、あまりに危険だったために精神病院の思春期病棟へと入院することになる。
精神病院なんかに入りたくない!と思っていたスザンナだったが、入院サインを求められるがままに書き、入所が決定してしまう。
思春期病棟に入ると、そこはスザンナが想像だにしない世界だった。
大きな火傷を顔に負ってしまった少女や、奇声を発する少女、拒食症の少女など。
明らかに自分が知っている世界とはかけ離れていた思春期病棟にたじろぐスザンナ。
すると、スザンナが入所した直後に、「リサ」という傍若無人な少女が看護婦たちに連れられてやってきた。
リサは、思春期病棟に8年も入っている少女で、何かと騒ぎを起こす問題児だった。
リサは、新入りのスザンナに大声で詰め寄る。リサに嫌悪感を持ったスザンナは、初めはリサと距離を置いていた。
しかし、思春期病棟に慣れていくうちに、リサの看護婦たちに対する反抗的な態度が、かっこよく思えてくる。そして、リサとスザンナは仲良しになるのだった。
ある日、思春期病棟で一緒だったデイジーが退院し、思春期病棟の少女たちは嫉妬心や絶望で気が狂いそうになってしまう。
そんな中、リサとスザンナは思春期病棟から抜け出してフロリダへと渡る計画を立てる。
その道中、デイジーが住んでいるアパートへと立ち寄るのだが…。
【ネタバレ感想】『17歳のカルテ』は、リアリティ溢れるヒューマンドラマ映画だった
というわけで『17歳のカルテ』を観終わった。
まず最初の感想としては、
「リアリティがすごいな…」
という印象である。すごい。とにかくすごい。
本当にありそうな…そんな世界がスクリーンに映し出されている。
私は精神病院に入所したことがないので、『17歳のカルテ』がどれだけリアリティに溢れているかを肌で感じることはできない。
しかし、スクリーンに映し出された少女たちの姿は、なんとなく現実味を帯びた様相をしていた。
もちろん、少女たちは全員役者である。アンジェリーナ・ジョリーやウェノナ・ライダー、さらにはエミネムの自伝映画「8mile」でアレックス役をしていた故・ブリタニー・マーフィまでいる。
彼女たちは演技だが、かなりリアリティある演技だったのではないだろうか…。
全体として少女たちが苦悩を抱えている様が描かれていて、とても勉強になる作品である。
アンジーの演技力がヤバし
『17歳のカルテ』では、主役のウェノナ・ライダーはあまり注目されず、むしろアンジーがめちゃくちゃ注目されてアカデミー助演女優賞やゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞したらしい。
ウェノナ・ライダーの演技が悪いわけではないけれど、確かにアンジーの役柄も相まり、アンジーが注目されるのも納得の作品だったように思う…。
『17歳のカルテ』から考える、社会性とは
『17歳のカルテ』は、観終わった後にかなり考えさせられる映画だったように思う。
ある人は障害のこと、ある人は人との関わりについて…など、それぞれで考えることはあるだろう。
私は私なりに、『17歳のカルテ』を観終わった後に「社会性」について考えてみたので、ここに記しておこうと思う。
『17歳のカルテ』の最後のシーンで、「私は社会に放り出される」というようなセリフがある。
そして、最終的には思春期病棟にいた患者たちのほとんどが、退院して社会に出ていく…といったようなセリフも添えられる。
そう、彼女たちは社会に出ていく未来がある。
『17歳のカルテ』を観ていて思ったのは、「認めてあげる」ということが大事なのではないか…ということである。それが社会性に繋がるのではないだろうか。
社会に出れば、身体障害の人もいれば、彼女たちのように精神障害を持つ人もいる。また、障害を一切持たない人もいる。
人それぞれにバックグラウンドがあって、人それぞれに想いがある。
思春期病棟の冷たい風呂にいきなり入れられたスザンナは、看護婦のヴァレリー(ウーピー・ゴールドバーグ)に、めちゃくちゃヒドイことを言ってしまう。普通に差別的すぎる発言をしてしまったのだ。
しかし、ヴァレリーは彼女を諭そうとする。ヴァレリーがスザンナに怒っていたのは「自分に甘い」というところだけで、あとは怒っていなかった。
そして、スザンナはデイジーが自殺をしてしまって思春期病棟に帰ってきたときに、ヴァレリーにヒドイことを言ってしまったことを謝る。
ヴァレリーは、スザンナの謝罪を素直に受け止め、認めてあげたのだ。
誰しもが認めて欲しい。人から「こんな自分を認めてくれ」と思っているものではないだろうか。
だが、人から認めてもらうには、自分がまず人を認めてあげなくてはならないのだ。
そんな教訓を、『17歳のカルテ』から感じ取った。
『17歳のカルテ』を総合評価するなら?
『17歳のカルテ』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
全体として素晴らしい出来。
思春期病棟の少女たちの心理描写などが秀逸だなと思う。
ただ、個人的には…ぶっちゃけ音楽面などが惜しいなと思った。ストーリーなどは素晴らしいんだけれど…。
その点だけマイナス評価として、星4評価である。
『17歳のカルテ』はどんな人にオススメ?
『17歳のカルテ』は、思春期を迎える人たち、また彼女たちと同じ境遇にいる人々に観てもらいたい映画だ。
リアリティたっぷりに描かれているので、観終わったあとの満足感は凄まじいだろう。
終わりに
『17歳のカルテ』についてレビューしてきた。
余談だが、『17歳のカルテ』の「17歳」は、1999年当時に「キレる17歳」というような言葉がマスコミから多用されたことでこの題名がついたらしい。
実際、『17歳のカルテ』では、スザンナは「18歳を超えてるんだから、自分でサインしなさい」と言われるシーンがあって、
「17歳はどっからきた!?」
と思っていた笑。なるほど、そういうことだったのね。
時代を反映させすぎてて、タイトルだけ聞いてもいまいちピンとこないのが残念である…。