ふぉぐです。
ついさっき『キャスト・アウェイ』を観終わったので、早速レビューしていきたいと思う。
ちなみにネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、早速レビューに移ろう。
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『キャスト・アウェイ』ってどんな映画?あらすじは?
『キャスト・アウェイ』は2000年(日本だと2001年)公開のヒューマンドラマ・サバイバル映画。
監督はロバート・ゼメキス。主演はトム・ハンクス。
あらすじとしては、「飛行機が不時着して無人島に流れ着いた主人公が、自力で生きていく力を身につけて、自分の国へ帰還する」という物語になっている。
アメリカに実在する「フェデックス社」という物流企業でエンジニアとして働いているチャック・ノーランドは、物流をもっと短時間で行えるように色々な場所に飛び回っていた。
チャックには、お互いに結婚を意識し合う恋仲の「ケリー」という女性がいた。
チャックは親族たちとのクリスマスパーティーの最中、会社のトラブルで急遽マレーシア方面に行かなくてはならなくなる。
ケリーに「大晦日には必ず帰ってくる」と言い残し、チャックからケリーへ指輪が入っているであろう箱を渡し、ケリーからチャックへ祖父が持っていた古い懐中時計を渡したのだった。
チャックは、早速フェデックス社の飛行機に乗り込み出発するも、なんと飛行機がトラブルを起こして不時着するのだった。
チャックは、どこかの島に流れ着き、サバイバル生活を余儀なくされる事になる。
『キャスト・アウェイ』は、現代の便利さがわかるサバイバル映画だった
『キャスト・アウェイ』を観てまず思ったのは、
「現代の便利さって凄まじいんだなぁ…」
ってことだ。
『キャスト・アウェイ』で象徴的なシーンに、以下のものがある。
- 火を起こそうとするも、手を怪我する
- カニを取ろうとするも、ドロドロの中身が出てくる
- 喉を潤すだけで精一杯
もっともっと出そうと思えば出せるが、『キャスト・アウェイ』で象徴的だったのはこの辺かなと思うので、ひとまずは話を進めよう。
『キャスト・アウェイ』を通してサバイバル生活を追っていくと、現代の利便性の高さには驚かされるばかりだ。
本国に戻ってきたチャックは、親友たちがパーティーを開いてくれていた。友人たちが帰った後、テーブルに置かれた様々な食材を見て思いを馳せる。
美味しそうな肉はあるし、身がぎっしり詰まったカニもある。
指でカチッとすればすぐに火が付く「チャッカマン」だってある(チャッカマンって言葉を久々に思い出した…笑)。
サバイバル生活をしていた時とは大違いな世界がそこにはあったのだ。
そうしてみると、如何に現代は恵まれた時代なのだろうと思う。
テーブルに残された食材たちをみるチャックの目が悲しそうだった。
【考察】なぜ、「天使の羽のロゴ」のついた箱だけ残したのか
『キャスト・アウェイ』は、謎が多い映画だと思う。
特に「これは謎だな」と思ったのが、天使の羽のロゴがついた箱を、チャックが残しておいたことだ。
映画をざっと見た限りでは、サバイバル生活で極限状態の中、あの箱だけ中身を見ないのはおかしいと思う。
だが、よく考えてみれば、これはチャックなりのプライドと生きる希望だったのである。
最後のシーンで謎が解き明かされる。
チャックが「次はどこに行こうか」と悩んでいるときに、一台のトラックが通りかかる。
運転手の女性に「こっちはカナダに続いてて、こっちは〜〜に続いてるよ」と道を教えてもらった後、彼女が去ったときにトラクターをみると、同じく天使のロゴがついていたのである。
つまり、箱の荷主は彼女だったわけだ。「ベティーナ」である。
ここで点と線が繋がる。
チャックが天使の羽のロゴの箱を開けなかったのは、
「これを届けることを目的とすれば、生きる希望になるのではないか」
という考えがあったからである。
フェデックス社で「どれだけ効率よく客に荷物を届けられるか」を考えていたチャックならば、そんな志を持ってもおかしくはない。
なぜ天使の羽のロゴがついた箱を選んだかというと、「天使」ということで縁起がいいからだろう。
「俺を生きる道へ導いてくれる」
とでも思ったはずだ。
そして最終的には彼女と出会い、チャックは微笑んで映画は終了する。
まるで、彼女との出会いが新たな恋愛のスタートになるかのように。
本国について、生きる希望を見失うチャック
『キャスト・アウェイ』では、私が思うにチャックは2度生きる希望を失いかける。
まず一つ目は、『キャスト・アウェイ』のそもそもの本筋であるサバイバル生活にある。
あんな無人島に1人で生きていたら、そりゃ生きる希望も見失ってしまうだろう。
現に、彼は島にいた5年間の中で首吊り自殺をしようとしているからだ。
だが、先ほども解説した天使の羽の箱を届けること、そして結婚を意識し合う恋仲だったケリーにもう一度会うため、チャックはイカダを作って本国へと帰還するのだった。
だが、本国へ帰還したチャックにもう一度生きる希望を失わせるショッキングな出来事が待っていた。
それは、恋仲だったケリーが別の男と結婚して子どもを授かっていたことだ。
そりゃそうである。5年間も音信不通でお葬式までやったチャックが生きているなんて夢にも思わないだろう。
ケリーにもケリーの生活があるし、死んでいるかもしれないチャックを待つことなんて人生を棒に振ってしまうようなものである。
だが、結局チャックは生きていたわけで。
チャックにとってもショックだし、ケリーにとってもショックな出来事だったわけだ。
2人は車に乗りながら愛を確認し合うが、時すでに遅し…。2人は別々の人生を歩むことになる。
ケリーと結婚できず、生きる希望を見失ったチャックは、天使の羽の箱を届けに行くわけだが、そこで生きる希望を見出すのである。
そう、さっきも紹介したトラック運転手の彼女、「ベティーナ」だったのである。
つまり、『キャスト・アウェイ』では2度も生きる希望を失うが、2度も生きる希望を見出すわけである。
『キャスト・アウェイ』を総合評価するなら?
『キャスト・アウェイ』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
全体的に面白い。面白いんだけどちょっと間延びする感じがしなくもない。
そして、サバイバル生活が途中で切り上げられて、
「Four years later(4年後)」
と、一瞬で4年後になってしまうのもちょっとなという感じである。
いや、切り上げるのは良いんだけど、チャックがサバイバル生活の中でどのような境遇でどんな体験をしてきたのかをもう少し映して欲しかった…とも思った。
それさえ除けば、個人的には大満足の映画だったように思う。
無人島から脱出して「はい終わり」ではなく、そこからヒューマンドラマが始まるのもなかなか良い。
それぞれの人生があるのだな…と実感する映画だった。
あと音楽も個人的に好みだった。
『キャスト・アウェイ』はどんな人にオススメ?
『キャスト・アウェイ』は、サバイバル映画好きの人にオススメしたい。
また、感動要素もあるので、
「今日は泣きたい気分だ」
ってあなたにもオススメをしておきたい。
バレーボールのウィルソンと離れ離れになってしまうシーンや、本国に戻ったのに一緒になれないチャックとケリーの悲しい再開は感動ものである。
終わりに
『キャスト・アウェイ』についてレビューしてきた。
余談だが、「天使の羽」ですぐに思い浮かんだのは、北野武監督作品の「菊次郎の夏」である。
菊次郎の夏にも、なんか天使のキーホルダーみたいな奴が出てきた気がする。
あれも確か『キャスト・アウェイ』の舞台と同じ1995年だった気もする。
あ〜なんか菊次郎の夏を観たくなってきた。
北野武監督作品はVODでなかなか配信されないので、今度ツタヤに行って借りてこようと思う。