ふぉぐです。
ついさっき、『ベイビー・ドライバー』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。
ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。
では、さっそくレビューに移ろう。
Contents
『ベイビー・ドライバー』ってどんな映画?あらすじは?
『ベイビー・ドライバー』は、2017年公開のアクション映画。
監督はエドガー・ライト。主演はアンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ。
あらすじとしては、「ずっとイヤホンをしていないと落ち着かない、天才的なドライビングテクニックを持つ青年・通称ベイビー。彼は、ある犯罪組織のボスとの間に金銭的なやりとりがあり、不本意ながらも彼の計画する犯罪に肩入れすることになる」という物語である。
ベイビーは、ずっとイヤホンをしている物静かな青年。
しかし、彼の裏の顔は、天才的なドライビングテクニックを持つ驚異のドライバーだった。
ある日、彼が車を運転し、他の3人が銀行強盗へ行く…という計画を遂行する。
ドライバーであるベイビーは、3人が車へ戻って来るやいなや、驚異的すぎるドライビングテクニックで警察を巻くのだった…。
ベイビーはある犯罪組織のボスに雇われていた。
ベイビーがまだ幼い頃、そのボスの運転していた車を乗っ取って、見事なドライビングテクニックで逃げ回った…というところから、ボスの琴線に触れて雇われていた。
だが、実はそこには裏があり、ボスの車には大量の麻薬が積まれていて、その麻薬がダメになってしまったから、ベイビーをこき使う形でドライバーとして雇っている…というものだった。
あと1回の仕事でベイビーの借金が返済される…という時、ベイビーはダイナーである女性と出会う。
その女性はの名前はデボラ。デボラから話しかけてきてくれたことにより、彼らはどんどん仲を深めていく。
最後の仕事が終わり、ベイビーも晴れてボスの元から離れられる…というとき、デボラとデートをしていると、レストランでばったりボスと出会う。
ボスは、新たな仕事をベイビーに託し、「車椅子と車、乗るならどちらがいい?」とベイビーを脅し、ベイビーにまたもや仕事をさせるのだった…。
『ベイビー・ドライバー』は、王道なストーリー展開が続く良作だった
というわけで『ベイビー・ドライバー』を観終わった。
まず最初の感想としては、
「王道ストーリーでめっちゃ面白いじゃん!」
という印象である。
音楽とアクション…というなかなか見ないマッチングは新鮮だが、ストーリー的には王道。
仕方なく力を貸していた犯罪組織から抜けようとするも、結局ボスの威圧で抜けられない…なんてところは王道な展開ではないだろうか。
また、ヒロインとの関係を邪魔されるところなど、ストーリーにもちゃんと感情の起伏があって、見ていてハラハラドキドキしてしまった。
音楽がいかんせん古めのロックが多いので、見る人を選ぶところはあるかもしれない。
だが、ストーリー・カメラワーク・演出などなど、全体的にレベルが高いなぁと思った次第である。
ご都合主義的じゃない、理屈に基づいた終盤だった
『ベイビー・ドライバー』が個人的に「良いねえ」と思った点は、ご都合主義的じゃない点である。
結構、こういうアクション映画はご都合主義が満載で、主人公がどんなに犯罪を犯したとしても逃げ切ってEND…というようなパターンが多い。
しかし、『ベイビー・ドライバー』では、そんなご都合主義を排除し、ちゃんとしたハッピーエンド…という形をとっているのが個人的には高評価である。
最終盤で、ベイビーは刑務所へ服役することになる。当然だ。あれだけの犯罪を犯してしまったのだから、服役して罪を償うのも当然といえよう…。
だが、『ベイビー・ドライバー』の良いところは、ベイビーの人柄の良さをちゃんと判決に反映させているところだ。
確かにベイビーは、車を奪ってしまったけれど、ちゃんとおばあさんに荷物を返した。
確かにベイビーは、犯罪の片棒を担いでしまったけれど、「逃げたほうがいい」と知らないおばさんにコンタクトをとった。
ベイビーは、聴覚障害のジョセフ(育ての父)のお世話をし、最後には老人ホームへと連れて行ってあげた。
ベイビーは犯罪を犯してしまったが、心の優しい一面がちゃんとある。
その点を加味しつつ、きちんと裁判を行って「懲役25年、しかし5年服役後は仮出所の対象とする」という判決を出した。
その、「きちんと理屈に基づいた終盤」が、ご都合主義的じゃいなと思った点である。
愛する人ができたから、ボスは肩入れした?
『ベイビー・ドライバー』で不可解な点は、映画終盤でベイビーのことをただの道具としか見ていなかったボスが、ベイビーのためにショットガンで敵を撃ちまくって援助するシーンだ。
その前のカットで、ボスはベイビーがガールフレンドであるデボラを連れてきたときに、
「参った…」
みたいな顔をしている。
そこからの、唐突なベイビー援護へと役回りを変えるボスに、観客もちょっと困惑したのではないだろうか…私はぶっちゃけめちゃくちゃ困惑した笑。
おそらくだが、ボスにとっての人生の使命みたいなものが、
「愛する人と一緒になること・愛する人を守ること」
にあるのではないだろうか。
その証拠に、ボスは息子を大事そうにしているのがわかる。息子は言わずもがな、愛する人との間に生まれた愛の結晶だからである。
そう考えると、愛する人ができたベイビーに肩入れをするボスの気持ちもわからんでもない。
「逃げろと言ってるんだ!!」
と声を荒げて逃がそうとするボスからも、「早く愛する人を守ってやれ!」という気持ちが垣間見える。
『ベイビー・ドライバー』を総合評価するなら?
『ベイビー・ドライバー』を総合評価するなら、星5中の星4評価である。
全体としては好印象な出来。さくさくっと物語が進んで、ダレるようなところはほとんどない。
ベイビーに憎たらしい口を聞く黒人さんの俳優も、多分あの人がいないとこの映画は締まりが悪くなるんじゃないかな…と思う。そういう意味で、ああいう憎い口を聞く人の存在は必要である。
特に、ベイビーのようなタイプの男には、ああいうズカズカと人のテリトリーに入ってくるタイプの男は苦手だろう。
見ていてハラハラドキドキする映画でとても面白かった。
だが、唐突にボスがベイビーに肩入れするところでちょっと「なんで?」と思ったので、そこだけ減点して星4評価とさせていただこう。
『ベイビー・ドライバー』はどんな人にオススメ?
『ベイビー・ドライバー』は、全体的に色々なジャンルの音楽で彩られているので、音楽系の映画が好きな人にはオススメだ。
ミュージカルというほどもミュージカルミュージカルしてないし、かといって音楽要素が皆無か…と問われるとそんなことはない。
絶妙に音楽とアクションが交わっているので、音楽好きにはかなり楽しめる映画になっていると思う。
終わりに
『ベイビー・ドライバー』についてレビューしてきた。
この映画を観る前、
「ベイビー・ドライバーって…いわゆるボス・ベイビーみたいな感じなんかな?」
とか勝手な偏見を持っていたんだけれど、全く想像と違う映画だった…笑。
どうやら、ベイビー・ドライバーという名前の由来は、サイモン&ガーファンクルの同名曲から拝借しているらしい。
良い映画だった…。