【ネタバレ感想】『誘拐の掟』は、サスペンス映画として惜しい作品だった

ふぉぐです。

ついさっき、『誘拐の掟』を観終わったので、さっそくレビューしていきたいと思う。

ちなみに、ネタバレ全開でレビューしていくので、まだ観ていない方はご注意を。

では、さっそくレビューに移ろう。

『誘拐の掟』ってどんな映画?あらすじは?

『誘拐の掟』は、2014年(日本では2015年)公開のサスペンス映画。

監督はスコット・フランク。主演はリーアム・ニーソン。

あらすじとしては、「麻薬密売人(仲介人)の妻を誘拐して惨殺する事件が発生する。しかし、被害者の夫は自らが麻薬の仲介を行なっていることから、警察への通報はできなかった。そんな中、被害者女性の夫の兄が、知り合いの私立探偵にこの事件の捜査をお願いするのだった」という物語である。

マット・スカダーは、以前刑事をしていて、今は無免許で私立探偵をやっている身だった。

マットは、1991年のとある事件で、3人の容疑者を射殺したものの、自らのアルコール依存症の影響で関係のない一般市民の子どもを撃ち抜いてしまっていた。この一件により、マットは警察から犯人検挙で表彰をされたものの辞職をしてしまうのだった。

1999年、マットはしがない私立探偵をやっていた。アルコール依存症の克服のために、8年前から依存症克服を頑張る人たちの集会にやってきていた。

そこで知り合った麻薬中毒者のピーターに、マットは食事をしているときにお願いをされる。

そのお願いとは、「弟に会って、話を聞いて欲しい」というものだった。

怪しいなと思ったマットだったが、とりあえず話だけでも…と思い、ピーターの弟が暮らす家へとピーターとともに行き、事情を聞く。

すると、弟は今、事件の犯人を探している…という話をしてきた。

というのも、ピーターの弟のケニーの妻が、ある男性たちによって拉致され、ケニーのもとに身代金の要求をしてきた。

身代金を用意して犯人たちが指示した場所に行くも、ケニーの妻は無残に殺されてしまっていたのだった。

このことに絶望し憤慨したケニーだったが、実はケニーの仕事は麻薬の仲介人だったため、警察に連絡することはできなかった。

八方塞がりのケニーが唯一頼める者といえば、私立探偵を営んでいるマットだけだった…というわけだ。

マットは、一度はケニーの依頼を断ったものの、翌日にケニーから事件の詳細を聞かされ、あえなく依頼を引き受けるのだったが…。

『誘拐の掟』は、サスペンス映画として惜しい作品だった

というわけで『誘拐の掟』を観終わった。

まず最初の感想としては、

「サスペンス映画としてめちゃくちゃ惜しいなぁ…」

という印象である。

全体的に惜しいというか…。

雰囲気はめっちゃ暗い感じで最高。サスペンス映画にありがちなダークな雰囲気が随所で感じられて、犯人を突き詰めていくのもグッド。

そういえば、この前見た「バサジャウンの影」も、暗い雰囲気でよかったなぁ…なんて思いつつ。

ただ、サスペンス映画としては「もう一息欲しいなぁ」という感覚なのは否めない。

まず、謎解き要素が皆無であること。これが個人的に一番の痛手かなぁと。

サスペンス映画といえば、主人公が犯行現場に落ちているようなヒントを集めて、犯人の居場所を突き止める…というのが王道なのだが、今作は基本的にそういう謎解きが皆無で、ストーリーを順に追っていく感じである。

もちろんそれがつまらないわけではないんだけれど、ストーリー展開が単調な感じがして少しだけ退屈を感じてしまった。

また、犯人の犯行があまりにも稚拙すぎるのもちょっとなあ…という感じ。

真昼間にあんな明るい色したバンで女性を誘拐したとなれば、通行人は絶対通報するんではないだろうか…。

しかも、特に頭を捻ることなく、マジでただ無理やり女性を誘拐するだけ…という。

マットに追い詰められて結局飛び降り自殺をしてしまったジョナスは、犯人の二人をとても怖がっていたようだが、そこまで怖がるほどの知能犯でもない。確かにちょっとヤバそうな奴らではあったけれどね…。

惜しいof惜しいが随所で繰り広げられていて、主人公のハードボイルドなカッコ良さだけが印象的なサスペンス映画になってしまっていたなぁという感想である。

全体的に説明不足かな?

『誘拐の掟』は、ぶっちゃけると全体的に説明不足感が否めない。

???と映画を見てて思った点を簡単に羅列すると、以下の通りである。

  • マットがアルコール依存症になってしまった理由は?
  • 黒人少年のTJは赤血球の病気だった理由は?
  • なぜ犯人の二人はなぜ金が欲しかったのか(まぁ「金が欲しい」という理由もないわけではないけど)
  • 犯人の無口な方は、どうやって縛っていた縄を解いたのか

という感じだろうか。

説明不足感が否めなくて、ちょっと…見ていてハテナが浮かんでしまっていた。

『誘拐の掟』を総合評価するなら?

『誘拐の掟』を総合評価するなら、星5中の星3評価である。

まぁ〜、及第点はあげてもいいかなという印象。

面白くないわけではないし、リーアム・ニーソン演じるマットはかなりかっこいい。渋い。

だけど、ちょっとひねりもないし、犯人もなんか…特にトリックを仕込んでいるわけでもなかったし。単調な印象だった。

全体評価として星3評価が妥当ではないだろうか。

『誘拐の掟』はどんな人にオススメ?

『誘拐の掟』は、サスペンス映画が好きな人は一度見ておいても損はないだろう。

全体的に陰鬱な雰囲気が漂っているので、例えば「セブン」などのサスペンス映画が好きな人は普通に楽しめる映画になっていることだろう。

終わりに

『誘拐の掟』についてレビューしてきた。

余談だが、どうやら『誘拐の掟』(原題は A Walk Among the Tombstones)には原作があって、「マット・スカダーシリーズ」という探偵物の小説があるようだ。

その第10作目?に当たる、「獣たちの墓」というのが『誘拐の掟』の原作となっているようである。

ちなみに、マット・スカダーシリーズは2011年の「償いの報酬」までで17作あるようで、そのうち長編映画化されているのが今作と第5作目の「八百万の死にざま」だけらしい。

ちなみに八百万の死にざまは、1986年に映画化されているようである。

今度、暇があったら見てみようと思う。